ティラーソン国務長官がロシアに到着、近くでは文字通り暗雲が立ち込めていた(動画)

象徴的なシーンだ。

アメリカのレックス・ティラーソン国務長官は4月11日、就任以来初めてのロシア訪問のため、モスクワに到着した。

ティラーソン氏は12日、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相との会談に臨む。ロシアが支援するシリアにアメリカがミサイル攻撃をして以来、初の直接会談となる。

ティラーソン氏がモスクワのブヌコボ空港に到着した時、空港近くでごみ焼却の煙が大量に立ち上っていたと、ABCニュースが伝えた。

現在のアメリカとロシアとの緊張関係を考えると、象徴的なシーンだ。

ティラーソン国務長官が着陸した時、空港近郊で発生していた煙は廃棄物焼却によるものだと、ロシア当局は説明

ロシア政府は10日、ウラジーミル・プーチン大統領がティラーソン国務長官と面会する予定はないと述べた。アメリカ国務省は、国務長官はどういった面で協力が可能かを探るため「予備的に」ロシアを訪れているとしている。

しかし、今回の訪問はダメージコントロールを意図する面もあるとみられる。ロシア政府によると、冷戦終結以降でアメリカとロシアとの関係がここまで緊張したことはないという。

ロシア政府はシリアのアサド大統領を支持しているが、アメリカは一貫して反体制勢力を支援し続けている。ドナルド・トランプ大統領は4日、シリアでの化学兵器使用への対抗処置としてミサイル攻撃を命じたが、これまで直接介入していなかったシリア内戦にアメリカが入ったことになる。AP通信によると、ロシア政府が化学兵器による攻撃を事前に把握していたとアメリカ政府は結論づけた。負傷者が搬送された病院の上空にロシア分の無人偵察機が飛行していたからだという。

アメリカのレックス・ティラーソン国務長官とロシアのウラジーミル・プーチン大統領とは、ティラーソン長官がエクソンモービルの最高経営責任者だった時には協力関係にあった。

2016年のアメリカ大統領選期間中、トランプ大統領とプーチン大統領は蜜月状態だった、このためトランプ政権では米ロ間の緊張が緩和する可能性も取り沙汰されていた。現在連邦捜査局(FBI)は、アメリカ大統領選でトランプ陣営の関係者がロシア政府と接触し、民主党の大統領候補ヒラリー・クリントン氏を攻撃した疑惑を調査している。

ハフィントンポストUS版より翻訳・加筆しました。

▼画像集が開きます

(スライドショーが見られない方はこちらへ)

Open Image Modal

Open Image Modal