「未成年者のリツイートはダメ」に松田公太議員「腹立たしい」 ネット選挙で公選法は時代遅れか

「リツイートはダメ」などと未成年者のインターネットを使った選挙運動の禁止を総務省が呼びかけている記事に対し、様々なコメントが寄せられました。国会議員らによるネット選挙に関する討論会でも、未成年者の選挙運動が話題にのぼり、現在の公職選挙法のあり方自体にも問題提起が寄せられ...
|
Open Image Modal
Teenagers using cellphones
Getty

「リツイートはダメ」などと未成年者のインターネットを使った選挙運動の禁止を総務省が呼びかけていると報じた記事に対し、様々なコメントが寄せられました。国会議員らによるネット選挙に関する討論会でも、未成年者の選挙運動が話題にのぼり、現在の公職選挙法のあり方自体へ問題提起がされています。

まず、なぜ「未成年者のリツイート」がダメなのか、問題点を振り返る。

20歳未満の未成年者の選挙運動は公職選挙法で禁止されている。選挙期間中の候補者のツイートは「選挙運動」とみなされ、「リツイート」も選挙運動にあたる恐れがある。弁護士ドットコムで早川忠孝弁護士が次のように詳しく解説している。

「候補者の『選挙運動メッセージ』は、選挙用の文書図画にあたります。ツイートはこの文書図画に含まれます。リツイートは『文書図画の頒布』にあたり、選挙運動とみなされます。

かみくだいていうと、リツイートは、候補者が選挙メッセージをまくのを手伝っているのと同じということですね」
(弁護士ドットコム「なぜ未成年は選挙運動メッセージを「リツイートしてはダメなのか?」」 2013/6/27 11:30)

さらに、早川弁護士は、選挙期間中の候補者のツイートは基本的に選挙運動メッセージになると指摘。「『おはようございます』のようなあいさつも選挙期間中に限っては選挙運動の意味を持つと考えられる」と述べている。総務省は「選挙運動にあたるかどうかは個別の状況で判断される」としているが「おはようございます」というツイートでさえ、未成年者がリツイートすると選挙違反になる恐れがあるのが現状だ。

こういった規制について、コメント欄には「若者が政治に興味を持つきっかけを損なう」という意見が寄せられた。

kasabuta3173さん

法律を変えて、選挙運動を18歳以上OKにするっていう選択肢は考えなかったんですかねぇ

政治に興味ある若者が増えるのはいいことだし、こんな風に禁止されたら興味ある若者も政治にそっぽ向いちゃいそう

ohtasannさん

法規上はそれが正しいのでしょうけれど、

それが結果として

参政への関心を奪うきっかけになってしまったら、

と考えると、複雑ですね。

inoueksukeさんは、「今の政治は高齢者層に寄り添ったもの」と指摘した上で、次のように指摘しています。

inoueksukeさん

そんな中でネット選挙が解禁になったわけですが、ネットやSNS層に親しい未成年者に対してこういった制限をするのは、未成年者達にとって、自分達が選挙と関わりを持とうとすることを国から拒まれているように感じるのではないか。

また、「若い頃から選挙に興味を持つ」という行為を制限して、政治に興味のない、ある意味扱い易い国民を量産しようとしているのではないか、と思ってしまいます。

政治に興味を持たせる為に国が力を入れて取り組む必要はないと思いますが、こういった制限をして、積極的に国政に関わろうとする若い芽を摘むのは、フェアではないのかな、と思います。

選挙運動をしている議員自身はどう考えているのだろうか。

6月25日に参院議員会館で開かれた「『新しい選挙のカタチ。』そして『政治のカタチ。』“ネット選挙”公開討論会」。衆参両院議員のほかに、ソーシャルメディア・エバンジェリストの小川和也さんやジャーナリストの田原総一朗さん、堀潤さんらが参加したこの討論会でも、未成年のネットを使った選挙運動が話題に上がった。

自民党の福田峰之衆院議員は「政治のリテラシーがある程度確立されてから、政治について何か言うのはいいと思う。その点で(選挙権を)20歳から18歳に下げるのは一番大事だと思うが、選挙運動を(行える年齢を)全くフリーにして良いかというとそこはどうかなと思う」と慎重な姿勢を示した。

一方、みんなの党の松田公太参院議員は「こういう規制が萎縮を生んじゃうんですよ。せっかく若い人に政治参加の場を与える訳ですから、何でこんな規制が残ってしまうのか、腹立たしい」と主張。さらに、公職選挙法のあり方にも話が及び、事務所を立ち上げた際の下記のようなエピソードを紹介。「公選法全体がやっぱりがおかしいと思う」と述べた。

自分が選挙に出たときから、(公職選挙法は)本当におかしいことだらけ。事務所を作ったときに、来ていただいた方々にコーヒーを出そうかなと思ったんですよ。それで、エスプレッソを出そうとエスプレッソマシーンを(事務所に)入れたらですね、それは公職選挙法になりますと言われた。でも、他の事務所遊びに行ったら、お茶は出している。お茶はいいけど、コーヒーはだめだと。つまり、付加価値が高いものはだめだということ。茶菓子はいいけど、ケーキはだめなのです。ペットボトルのお茶もふたを開けて出さないといけない。ふたを閉めたまま出すと、それを持って帰られると価値になってしまうのでダメなんです。(一部抜粋、要約)

現在の公職選挙法については、コメントでも意見が寄せられている。

Prof kemoさん

そもそも論で切り込むなら公選法の抜本的改革ですよね。

一票の格差と一言で言っても、何をベースとして表の重さを量るべきなのかとか、ツッコミどころは非常に多くかつ難しいわけですが、本気で社会の方向性をなんとかしたいなら避けては通れない道だと思いますし。

選挙権、被選挙権、選挙運動、正解(らしきもの)が見つかる日はくるのでしょうか。

引き続き、みなさんのご意見をお寄せ下さい。