未成年者は、選挙運動でリツイートしちゃダメ――。
総務省はホームページで未成年者向けのチラシを公表し、「インターネットでも、現実の世界でも、未成年者の方は選挙運動はできません!」と注意を呼びかけている。「リツイートはだめですよ」という例も示されており、ネットで話題を呼んでいる。
4月に公職選挙法が改正され、7月の参院選からインターネットを使った選挙活動が可能となる。公示後の選挙期間中も、政党や候補者はホームページやブログの更新をしたり、TwitterやFacebookなどを使った情報発信をしたりすることが認められる。街頭演説の告知や動画配信もできる。
有権者にとっては、ソーシャルメディアを通じて、自分が応援する政党や候補者への投票を呼びかけられるようになり、候補者の「生の声」に触れる機会が増えたり、質問を直接投げかけたりすることが可能となる。
しかし、20歳未満の未成年者の選挙運動は、公職選挙法で禁止されている。総務省は、特定の候補者を当選させるために以下のことをすると「法律で罰せられる恐れがある」としている。
・他人の選挙運動メッセージをSNSでリツイート、シェアする・掲示板・ブログなどに「このたびの選挙では、○○さんを当選させましょう」などのメッセージを書き込む
・送られてきた選挙運動用電子メールを他人に転送(※有権者も禁止されている)
・他人の選挙運動の様子を動画サイトなどに投稿注)これらはあくまで例示であり、選挙運動にあたるかどうかは、個別具体の事実関係に即して判断される
(総務省「インターネット選挙運動解禁に関する説明資料 未成年者チラシ」)
「安倍首相が○○で演説している」「アントニオ猪木さんが駅前にいた」といった内容のリツイートは「アウト」なのか。
総務省に問い合わせたところ、「最初に書いた文言(ツイート)が『選挙運動』と捉えられてしまうかどうかによるが、個別で判断される」との回答。特定の選挙で特定の候補者を当選させるために、多くの人に投票を呼びかけると「選挙運動」に該当するという。「○○さんが△にいる」というツイート内容が選挙運動にあたるかどうかは、「東京選挙区の有権者ばかり大多数の人に送るなど、選挙運動にあたるかどうかは個別で判断される。当方で判断する事項ではない」とのことだった。
それでは、どうやって未成年者と判断するのか。
「違反があったかどうかは取締当局が調べ、司法が罪になるかどうか判断する。どこまで実際に取り締まるのかどうかというのは当方ではわからない」と担当者。
ちなみに、未成年者の選挙運動の禁止(公職選挙法第137条の2)に違反した場合、「1年以下の禁錮または30万円以下の罰金」が科される。
インターネットユーザーたちの間にも様々な意見が飛び交っている。