14歳の身体拘束77日間 「殺された方がましだった」
摂食障害で入院した14歳のときに77日間に及ぶ不当な身体拘束を受けたとして、東京都に住む女性(24)が17日、病院を経営する法人に1056万円の損害賠償を求める裁判を東京地裁に起こした。会見した女性は「殺された方がましだと思うぐらいだった。当時から訴えたかったが、子どもだったのでできなかった。力のない子どもに、こんなひどいことをするのはやめてほしい」と語った。
弁護団によると、拘束された当事者が提訴するのは異例。訴状によると、女性は2008年5月に都内にある病院の精神科を受診。摂食障害と診断されて入院した。病室ではベッド上での安静を求められ、起き上がることも、外部との電話や面会も許されず、排泄(はいせつ)は看護師の前で簡易トイレにしなくてはならなかった。
抗議のため、点滴を抜いたところ、両手両足と肩を太いひもでベッドに縛り付けられた。栄養チューブを鼻から胃に、カテーテルを尿道に通された。排泄はベッドの上でさせられた。
足の拘束は38日間続き、すべて解除されたのは77日目。11月の退院後は、拘束される夢を見るなど精神状況が著しく悪化し、別の病院でうつ病と診断された。
(朝日新聞デジタル 2018年05月18日 05時52分)
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