女性の再婚禁止期間、100日を超える部分は違憲。最高裁が初の判断

100日を超える部分については「違憲」と判断された。

離婚した女性は6カ月間再婚できないと定めた民法の規定が憲法違反かどうかを争った訴訟で、最高裁大法廷(裁判長・寺田逸郎長官)は12月16日、再婚禁止期間の規定のうち、100日を超える部分については「違憲」とする初の判断を示した。判決を受けて国は、明治時代から続く規定の見直しを迫られることになる。NHKニュースなどが報じた。

再婚禁止期間について民法733条は「女性は離婚や結婚取り消しから6カ月を経た後でなければ再婚できない」と定めている。離婚した女性がすぐに再婚して子供が生まれた場合、子供の父親が誰かをめぐって争いになるのを防ぐ目的で明治時代に設けられた。

訴えていたのは岡山県の30代女性で、女性だけに再婚を禁止するのは憲法が保障する「法の下の平等」などに反していると主張。2011年に提訴し、国に慰謝料165万円を求めた。1審の岡山地裁は「父子関係を巡る争いを未然に防ぐ立法趣旨には合理性がある」として訴えを退け、2審・広島高裁岡山支部判決ももこれを支持。原告側が上告した。法曹関係者の間では、DNA型鑑定で父親の特定も容易になったことなどから、6カ月という再婚禁止期間は合理的でなくなったという見方が広がっていた

民法には別に、「離婚後300日以内に生まれた子供の父は前夫」「婚姻後200日後に生まれた子供の父は現夫」とする規定がある。このため、原告側は離婚から100日を経ての再婚なら「推定期間との均衡を考えるなら100日で十分」と訴えていた。判決は、「再婚を禁止する期間が100日であれば合理的だが、100日を超えるのは過剰な制約」と指摘した

女性の再婚禁止期間をめぐっては、法相の諮問機関である法制審議会が1996年、6カ月間を100日間に短縮する法改正をするよう答申した。しかし、国会や世論の反対もあり、改正法案提出は見送られている。今回、最高裁が判断を示したことで、民法の規定は80日分については事実上、効力がなくなる。

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