地方財政を見るときに気になるのが、「基金」の残高です。
地方自治体の積立、つまり基金には何種類かあります。
財政調整基金、減債基金、その他の特定目的基金。
これらを合計した基金の額は平成18年度の13.6兆円から平成27年度の21.0兆円へと増えています。
平成18年度に基準財政需要額の2倍以上の基金残高を持っている自治体は42、全体の2.3%でした。それが平成27度には76自治体、全体の4.4%に増えています。
基準財政需要額と同じだけの基金残高を持っている自治体の数は平成18年度には221、つまり全体の8分の1だったのが、平成27年度には507、全体の3割にまで増えています。
基準財政需要額の半分の基金残高を持っている自治体は平成17年度に全体の約4割の749自治体、それが平成28年度には全体の7割、1201に増えました。
乱暴に言えば、国が借金して金利を払いながら(今はその金利は極めて低利かもしれませんが)、自治体に交付税を払い、自治体はそこから基金に積み立てている、ということになります。
積立にも金利がつくかもしれませんが(今はさらに極めて低利)、借入金利の方が高くつきます。
国と地方、トータルで考えれば金利がつく借金をまず減らす方が財政再建に近づきます。
というのが問題意識です。
もちろん自治体も努力して積み立てをしています。もちろんいざというときのために積み立てをしているわけです。
しかし、部分最適が全体最適にならないこともあります。
そういう視点からいろいろ議論していきたいと思います。
(2017年5月4日「衆議院議員 河野太郎公式サイト」より転載)