ヨーロッパ各地が記録的な寒波に見舞われ、1月11日現在で死者が65人に達した。これまでギリシャ、イタリア、ポーランド、セルビア、ブルガリアなどヨーロッパ中部や南東部で低体温症による死者が相次いでいる。
ヨーロッパは雪に覆われ、大部分が氷点下に落ち込んだ。そのため、ホームレスや難民の生活がさらなる危機に瀕している。
ギリシャやセルビアでは、難民申請の順番を待っている人々や、国境を潜り抜けて西へ向かう別のチャンスをうかがう何千人もの難民が孤立している。その多くは、屋外の熱や電気のないテントや古い倉庫などで暮らしている。
移民問題に関する欧州の対応の遅さを指摘してきた支援団体は、各国の対応を批判している。
国際支援団体「国境なき医師団」のオペレーションコーディネーター、ステファノ・アルゲンジアーノ氏は声明で「異常気象で彼らの命が危険にさらされています」と述べた。 「私たちは今、欧州各国の政策がもたらした最も残酷で非人道的な結果を目の当たりにしている。欧州各国の政策は、ヨーロッパに安全と保護だけを求めている人たちを阻止し、不当な扱いを与え続けてきた」
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、もっとインフラの整ったギリシャ本土の施設に移るよう何度も呼びかけているが、今も多くの難民がギリシャ諸島の野外難民キャンプに取り残されている。
国際紛争や大規模災害の被害者を支援しているNPO「国際救済委員会」(IRC)は1月11日、ギリシャ政府がレスボス島沖に船を停泊させ、数百人に寝泊まりする場所を提供したと声明で発表した。しかし、それは「十分な長期的対応ではない」ともしている。
「世界中で最も弱い立場の人々が、ただ保護される場所を求めているのに罰を受けている」と、IRCヨーロッパ地域代表エリナー・レイクス氏は声明で述べた。「これでもまだ、彼らの苦労が足りないと言われるのでしょうか」
国境なき医師団によると、現在7500人以上の難民がセルビアで孤立しており、キャンプやすでに使われていない倉庫といった屋外に収容されているという。IRCは、子供の多くは単独で旅行している場合が多いが、低体温症で死に至る危険にさらされていると警告した。
以下の写真は、難民たちが過酷な寒波を耐え忍んでいる状況のごく一部だ。
ギリシャのアテネ北部にある難民キャンプで吹雪に勇敢に耐えるシリア難民。/ Yannis Behrakis / Reuters
雪に覆われた難民の子供たちの靴下。/ Yannis Behrakis / Reuters
暖を取ろうとするギリシャ北部ソフテックスキャンプの難民。/ NurPhoto via Getty Images
レスボス島のモリアキャンプの条件も他より良いわけではない。 / STR via Getty Images
人々は氷点下の屋外に暮らしている。
ソフテックスでは雪を最大限に利用した人たちもいた。 / NurPhoto via Getty Images
雪に覆われたソフテックスのテント。人々にはこの寒さから身を守るすべがない。 / NurPhoto via Getty Images
ソフテックスキャンプでは水源が凍り付き水の流れが止まった。
氷点下のベオグラードで、避難所となっている捨てられた倉庫の外で熱い食事を受け取る移住者。ANDREJ ISAKOVIC via Getty Images
寒さから気を紛らわすために遊びに興じる難民たち。/ Anadolu Agency via Getty Images
ベオグラードの倉庫で、人々が毛布の山の下に集う。/ Anadolu Agency via Getty Images
食べ物の列に並ぶ難民たち。/ Anadolu Agency via Getty Images
ハフィントンポストUS版より翻訳・加筆しました。
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