「文化庁は文化を殺すな」あいちトリエンナーレ参加アーティストらが署名集め

アーティストでつくる「ReFreedom_Aichi」がネット上で署名を呼びかけたところ、一晩で3万人以上が賛同した。
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ReFreedom_Aichiのキャンペーン
Change.orgのサイト

文化庁が国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」へ採択を決めていた補助金約7800万円の全額を交付しないと決めたことに対し、同芸術祭の参加アーティストらでつくる「ReFreedom_Aichi」が9月26日、不交付の撤回を求め、署名サイト「change.org」で賛同を募り始めた。翌27日午前10時時点で3万人を超える賛同者が集まっている。

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「ReFreedom_Aichi」のアーティスト。(右から)加藤翼さん、村山悟郎さん、ホンマエリさん、毒山凡太朗さん
KAORI SAWAKI

文化庁によると、2019年3月に愛知県から補助金の応募を受理し、有識者による審査会をへて、4月に採択を通知していた。

文化庁は9月26日、補助金を交付しない理由として、愛知県側が「展示会場の安全や事業の円滑な運営を脅かすような重大な事実を認識していたにもかかわらず、文化庁が問い合わせをするまで申告しなかった」と説明。補助金の申請手続きにおいて「不適当な行為だった」と判断したという。萩生田光一・文部科学相は同日、文化庁は展示内容については関与していないとし、「(行政による)検閲にはあたらない」との考えを示した。

「ReFreedom_Aichi」は賛同の呼びかけ文の中で、「いったん採択された補助金を、違法性などが検証されない状態で国が取り下げるということは、異例中の異例。多くの国民がこれを国家による検閲だと解釈している」と表明した。「いったん適正な審査を経て採択された事業に対し、事業実施中に交付を取り消すことは、国が該当事業のみを恣意的に調査したことを意味する」と訴えている。

また、文化庁の今回の決定によって、公立の美術館や劇場、公的資金が入って運営される芸術祭などのすべての文化活動に「多大な悪影響を及ぼす」として、「国際的には日本は文化的先進国から失墜し、国際社会から非難される立場にもなりかねません」と懸念を示している。