絶句するしかない超絶テクニック……。
レッドブルの塗装をした飛行機が、トンネルの中から離陸。道路すれすれを低空飛行しながら、一回、外に出たあと今度は2本目のトンネルを通過する動画が発表されたのだ。
飛行機の「トンネル潜り」は、バンダイナムコのTVゲーム「エースコンバット」シリーズでは恒例だが、現実世界で実施されるのは世界で初めてだという。ゲームファンの間では「エースコンバットを実機でやるなんて」と衝撃が広がっている。
この前代未聞の飛行を実現したのは、レッドブル・エアレースへの参戦経験があるイタリア人パイロット、ダリオ・コスタさん(41)だ。
レッドブルによると、この動画が撮影されたの9月4日午前6時43分。トルコ最大の都市イスタンブール近郊の高速道路にある2つのチャタルカ・トンネルだ。
飛行機が1つ目のトンネルを離陸してから、2つ目のトンネル(1730m)を通過するまでにかかった時間は約43秒。2つ目のトンネルを通過する平均速度は時速245kmだった。翼の両端とトンネルの壁との距離は、わずか4メートルほど。道路から70cm〜1.6mを浮上するという妙技だった。
■「誰だってそうだけど、僕はトンネルを飛んだことは、人生で一度もなかった」
レッドブルによると、トンネルから離陸するのも、トンネルを飛行機で通過するのも、2つのトンネルを通過する飛行も世界初だという。1730mは「飛行機で飛行した最長のトンネル記録」としてギネス世界記録となった。
この「トンネル・プロジェクト」は、40人のチームが1年間かけて準備したという。世界初の挑戦を成功させたコスタさんは「誰だってそうだけど、僕はトンネルを飛んだことは、人生で一度もなかった。だから、全てが期待どおりに進むか僕の脳内には大きなクエスチョンマークがありました」と振り返った。
見事にフライトを成功させたことで「もちろん、とてもホッとしたし、大きな大きな幸福を感じました。僕にとっては別の夢がかなったんです」と続けている。