エナジードリンク「レッドブル」の創業者の孫が(ICPO)によって国際手配された。
国際手配されたのはウォラユット・ユーウィタヤー容疑者(35)。オーストリアの実業家ディートリッヒ・マテシッツ氏と共同で「レッドブル」を国際展開したチャリアオ・ユーウィタヤー氏の孫だ。
ロイター通信によると、ウォラユット容疑者は2012年9月、フェラーリのスポーツカーを運転中に警察官をはねて死亡させ、そのまま逃走した疑いが持たれている。
共同通信によるとウォラユット容疑者は事件後、タイ当局の度重なる出頭命令を無視。プライベートジェットで日本やイギリスなど各国を飛び回る生活を送っていて、捜査当局の甘い対応に批判が高まっていた。
■レッドブル株の51%を握るユーウィタヤー家とは?
ウォラユット容疑者の祖父、チャリアオ・ユーウィタヤー氏は1970年代にタイ国内で栄養ドリンク「クラティン・デーン」を発売した。
この栄養ドリンクを、1987年にオーストリアの実業家ディートリッヒ・マテシッツ氏がライセンスを受けて国際展開した。チャリアオ氏と共同で会社を立ち上げてレシピを改良し、炭酸入りの「レッドブル」としてスタイリッシュな缶で売り出したところ、世界的なエナジードリンクとなった。
チャリアオ氏が、2012年に亡くなるまでにレッドブルは計162カ国で年間44億本を販売したとワシントンポストは報じた。彼の一族はレッドブルのライセンス収入で莫大な資産を得たという。
フォーブス誌は2017年5月、「ユーウィタヤー家はレッドブル社の株51%を保有する」と報道している。一族の推定資産は125億ドル(約1.4兆円)でタイで第4位の大富豪だという。