リモートワークや週休3日制など、働き方の選択肢が広がりつつある。さらに、2022年4月には女性活躍推進法が改正され、社会や企業に求められるダイバーシティへの変革はさらに加速するだろう。では、多様な働き方を望む人たちが成長できる職場とはどんなものか。
やりがいと働きやすさが両立するポイントを探るべく、自分らしい働き方を見つけたライフステージの異なる二人に話を聞いた。
営業職の経験を活かして異業種へ。転職先で見つけた「人と企業を結ぶやりがい」
━━前職は生命保険の個人営業。人材派遣の法人営業に転職したきっかけは?
大島 南さん(以下、大島) 人材派遣業は初めてでしたが、派遣スタッフの方と、派遣先の企業どちらにも喜んでもらえるのが一番の理由でした。
新卒で生命保険会社に入社。実際に働いてみて感じたことと「たくさんの人を笑顔にしたい」という自分の気持ちにずれを感じ、転職活動を始めました。はじめから人材派遣業を考えていたわけではありませんが、リクルートスタッフィングなら仕事を通じて「たくさんの人を笑顔にする」という自分の想いとマッチすると思えたんです。
人材派遣の営業は、就業機会を提供するだけではなく、派遣スタッフの方と派遣先企業に継続して伴走する仕事なので、両者の笑顔を見られる機会が多いんです。私にとってはピッタリだなと思いました。
面接で当社のオフィスを訪れた際に感じた社内の雰囲気や人の温かさにも「ここで働きたい!」という気持ちが後押しされました。
業界未経験でも成長を支援してくれる環境がある。そこで出会った「新しい自分」とは
━━異業種・異職種へのキャリアチェンジ。不安はなかったですか?
大島 転職した当時、人材派遣の営業について知識はなかったですし、センスや資質が必要な仕事だと思っていたので不安はありました。けれど、社内にさまざまな研修制度や成長を支えてくれる上司や仲間がいることに気づき、不安が払拭されました。入社直後だけではなく、今でも営業スキル向上のロールプレイングや、全社的なナレッジ共有の場があります。それらを吸収することで自然とスキルが身についたと思います。
━━リクルートスタッフィングでのキャリアをスタートさせて、ご自身にどんな変化がありましたか?
大島 私は学生時代から人に何かを尋ねることが苦手でした。宇都宮オフィスにいた時の上司から人との関わり方や相手の気持ちを考えることの大切さについてアドバイスをいただき、考え方が変わりました。それ以来、派遣スタッフの方の経歴書だけでは見えない「想い」などを汲み取れるように、積極的なコミュニケーションを心がけています。
また、自分の新しい一面も発見しました。苦手を克服することに燃えるタイプで、できないことを明日はできるようにしたいんです。意外と負けず嫌いなんだって気づきましたね(笑)。
社内留学を経て営業職の魅力を再確認。今の仕事へ、一歩踏み出す転機に
━━転職して8年程キャリアを積まれています。これまでに転機はありましたか?
大島 社内留学のように、自分の仕事の一部の時間を使って他部署の仕事にチャレンジできる「キャリチャレ」という制度を利用したことですかね。営業をしながら、派遣スタッフの方々により良い体験をしていただく企画やマーケティングなどを行うカスタマー戦略部に4カ月在籍しました。今までの仕事とはまったく異なる経験で、新しい気づきも多くてとても勉強になりました。
特に大きかったのは「やっぱり営業が好き」と気づけたこと。“片道切符の異動”ではなく、戻れる場所があったから発見できた気持ちだと思います。この経験がなかったら、ほかの職種に転職を考えたかもしれないですね。
当時は宇都宮オフィス所属でしたが、後に東京23区内の営業職の社内公募があり、キャリアチャレンジを経験したおかげで迷いなく手を挙げられました。
やりがいある仕事とプライベートも大切にできる環境。だからこそ、不安なく長く働ける
━━人材派遣営業のやりがいは?
大島 私たちが派遣スタッフの方と派遣先企業の間に介在することで、多様な働き方を創出できることですね。双方の想いを叶えられるように考え、行動することは大変ですが、その分やりがいは大きいです。
リクルートスタッフィングは失敗をポジティブに捉える社風。上司や先輩にも相談しやすくて「どうしたらいいか?」を考える機会が増え、成長につなげることができます。私の負けず嫌いなマインドに火がつきますね(笑)。私自身、日々奮闘中ですが、新しい知識を素直に吸収できて人が好きな方なら、すぐに成長できると思います。
今の新宿オフィスでは8人のチーム制。年齢に関係なく、お互いに助け合って一緒に成長していくスタイルに、団体戦のような楽しさを感じています。上司も同僚も頼りにしていますし、尊敬しています。
━━プライベートに変化はありましたか?
大島 昔から温泉めぐりが好きで、仕事で疲れが溜まったら全国の温泉地を訪れていました。転職してからはチームメンバーに誘われてテニスを始めたので、テニスの疲れも一緒に癒せるようになりました(笑)。
━━将来のライフスタイルについてのビジョンはありますか?
大島 結婚・出産を経て働き続ける先輩が多いので、もし機会があれば、私もそうしたいと思っています。女性の先輩も多いですし、男女問わず育休をとれる環境なので不安はないですね。
まずは目の前のことを頑張って、成長した先に何かチャンスがあれば、チャレンジしていきたいと思います。仕事がきちんと評価され、チャンスが与えられる環境であることは、社内メンバーの活躍からも感じられますし、私自身も実感しています。
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「人を笑顔にする仕事をしたい」。その想いを原動力に転職し、やりがいを見つけた大島さん。働きやすい環境で自分らしく働く彼女の、これからの成長が楽しみだ。
気がつけば20年。ライフステージが変わっても成長し続けられる理由
━━着実にステップアップされてきた印象です。キャリアプランは最初から描いていたのでしょうか?
森 望さん(以下、森) いえ、まさか20年以上勤務するとは思っていませんでした。何歳で結婚や出産をする、新卒で入ったこの会社で働き続けるなどのビジョンもまったくなかったです。
ただ、経済的に自立していたいと考えていて、仕事はずっと続けたかった。2度産育休を取得しましたが、先輩たちが育休取得後も戻ってきやすい環境を整えておいてくれたのはありがたかったですね。周りでは出産を機に退職する人はかなり少なく、復職する人がほとんどです。
━━産育休を経て管理職になった際に不安はありましたか?
森 そうですね。大きく二つの不安があって、一つは自分には「時間という武器」がないこと。家庭があり、二人の子どもがいるので、どうしても仕事に費やせる時間が限られてしまいます。
もう一つは、私が仕事と家庭を両立して成果を出せなかったら、社内のワーキングマザーたちへの期待を下げてしまうのではないかと、勝手にプレッシャーを感じていました。
そんな時に上司が「あなたのやり方でやればいいし、できなければ別の仕事を任せるから」と言ってくれて、気持ちが楽になりました。「周りは気にせず、任されたことに全力で取り組もう」と思えたんです。
ライフステージの変化に合わせ、働き方も柔軟に変えられる
━━管理職になって感じたご自身の変化は?
森 ユニット長になって2年目の時に「人に任せる大切さ」に気づきました。見る範囲が広くなると、すべてをコントロールするのは不可能です。部署のメンバーが最大限活躍できるようサポートはしますが、その人の得意な領域は「信じて任せる」。任せることで、メンバーは責任をもって仕事を進めてくれますし、個人的には大事なポイントを見極めるスキルが身についたと思います。
もう一つは「時間で戦わない」ようになったこと。時間をかければ考えがまとまるわけではありません。逆に、シャープさがなくなることも。限られた時間の中で目標達成に向けた最適な判断を意識するようになりましたね。
一人ひとりの個性と人生を大切にする職場作りを目指して
━━組織作りで心がけていることは?
森 チームメンバーの個性を大切にしています。一人ひとり、もっている能力やバッググラウンドは違いますよね。それぞれの個性をくみ取りながらメンバーがやりがいを感じられる環境作りを心がけています。
━━管理職のやりがいはどんなところですか?
森 メンバーの成長が私にとってのやりがいです。そして「自走できる」組織作りができること。メンバーの成長と業績は連動します。2021年度に最優秀ユニット賞を受賞した大きな要因は、成長が業績に現れてメンバーの自信になり、個々人が自走することでチームがうまく回ってさらに成長するという、良いサイクルが生まれたことでしょう。
メンバーが自走できる強い組織は、一人ひとりの成長無くしては作れません。そのためにも、個人の生活を尊重したいと考えています。プライベートの幸福度は、仕事のパフォーマンスにもつながると思うんです。
個人的な経験ですが、趣味や家族と過ごす時間を大切にすることで、仕事にもハリが出てくるように思います。
働き手も企業も幸せな世の中にしていきたい
━━他人の人生に関われる点は、人材派遣の営業にも共通しそうですね。
森 そうですね。派遣スタッフの方が望んだ仕事に就けることは、やっぱりうれしいです。時給や働く環境などの求人条件を私たちが企業に交渉して整えることもありますが、これは双方にとってプラスだと思うんです。
企業はどのような条件であれば良い人材を受け入れられるのか、組織改善の気づきを得られますし、実際に求人条件を改善することで応募が多く集まります。派遣スタッフの方は希望の働き方ができる選択肢が増えるので、両者のメリットになりますよね。働き手の声を企業に接続することで、企業も働く側もよい方向に変わっていく。それが、この仕事の一番のやりがいだと思います。
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森さんは就活時、面接など短い時間で自分に合った会社を見極めることの難しさを感じ、働く個人が柔軟な選択をできる社会にと、リクルートスタッフィングに入社したと言う。結婚、出産を経験し、ライフステージが変わった今。自由なワークスタイルを体現しながら、働き方のより良い未来を模索している。
データで見る「働きやすい環境」とは?
働きやすくやりがいを感じられる職場では、具体的にどんな取り組みがされているのか? 森さん、大島さんが在籍するリクルートスタッフィングを例に、まとめてみた(※1)。
① 柔軟な働き方が選択でき、多様な人材が活躍
同社では、コアタイムなしのフルフレックス制の働き方をはじめ、リモートワークや時短勤務などの柔軟な働き方を取り入れている。また「フレックス休日制度」が設けられ、有休取得率も50%超。自身の状況に合わせて休暇をしやすい環境が整っている。
男女の比率から見ると、同社の働き手は女性が7割弱で、女性管理職も4割近い。さらに、厚生労働省による女性の活躍推進に力を入れている企業の認定マーク「えるぼし」で三つ星を獲得している。
一般に、ライフイベントによる離職率が高いとされる女性の活躍環境が整っている企業なら、個々の希望に合わせた柔軟な働き方が可能ではないだろうか。
② 生産性の高い働き方を推奨
森さんが話していた「時間で戦わない働き方」を推奨しているのもポイントの一つと言えそうだ。リクルートスタッフィングでは、性別の違いや子育て、介護の有無にかかわらず、誰もが限られた時間の中で「賢く・濃く・イキイキ」と働くことで、最大の成果を出すことを目指す「スマートワーク」という考え方が浸透している。
その結果、時間的な制約がある方でもパフォーマンスをあげている社員が多く、女性管理職の半数以上が育児中であることにも注目だ。
オンとオフのメリハリをつけながら働くためには、短い時間で効率よく成果をあげる働き方を全社的にサポートする環境が重要だということがわかる。
③ キャリアアップにつながる仕組みや充実した報酬制度も
将来のキャリアアップも視野に入れるなら、成長できる仕組みや機会があることも考慮しておきたい。その一つが、「Will-Can-Must」のマネジメントだ。本人が実現したいこと(Will)、活かしたい強みや克服したい課題(Can)、業務目標や能力開発につながるミッション(Must)の項目からなる目標管理シートを活用し、上長と対話をしながらすり合わせを行う。それにより最終的には本人が主体的・自律的に業務に取り組むよう導き、成長を促すことができる。
さらに、全社目標の達成時には賞与とは別に、インセンティブを支給する「Goal in Bonus(GIB)制度」など、社員と会社のエンゲージメントを高める取り組みにも積極的だ。
④ 中途入社率が高く、活躍できる土壌
同社では2018〜2020年度の3年間における正社員の採用人数を合計すると、中途採用率は78.6%と、かなり高い。未経験からの入社も多いため、新たに営業職として入社する社員がいち早く活躍できるよう、「研修」や「サポート」も充実している。それが、リクルートスタッフィングの長年の実績とナレッジをベースに、営業職の基本を習得できる「StaStudy(スタスタディ)」という研修制度。これは先輩社員とペアを組み、スキルを習得する「ブラザーシスター制度」や集合研修、ロープレイング大会などOJTとOFF-JTをバランスよく組み合わせたシステムだ。
自由な働き方には年功序列ではなく、実力に応じた正当な評価を受けられることも重要。転職の際、職場選びの指標の一つにしたい要素だ。
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やりがいと働きやすさが両立する環境で、自分らしく成長したい。そんな希望を叶えてくれるリクルートスタッフィングの働き方は、キャリアプランを考えるうえで大きなヒントになるだろう。
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(写真:小原聡太)