犯罪容疑者の身柄を中国本土にも送れるようにする香港の「逃亡犯条例」改正案に反対するデモで、女性が右目に重傷を負った。
女性は警官隊の発射したビーンバッグ弾で目を撃たれ、失明したという情報もある。デモ参加者は、女性が怪我をした場所と同じ右目にガーゼをあてるなどして連帯の意を示す同時に、警察のデモ鎮圧行動を「暴力的だ」と批判している。
■女性が目を撃たれたか
条例改正案に反対するデモは連日行われているが、問題の事件があったのは8月11日。デモに参加していた女性が右目に重傷を負った。
現地のデモ参加者らが、ネット上に流血し介抱される女性の写真を載せており、警官隊から暴徒鎮圧に用いられるビーンバッグ弾を撃たれ失明したとしている。
■連帯示す
この事件以降、香港デモの参加者の中には、右目にガーゼを貼って行進する人の姿も見られるようになった。
彼らは、右眼に重傷を負った女性への連帯の意を示している。また、警察のデモ隊への対応について「暴力的だ」と批判する意図もあるとみられる。
■真のムーラン
デモ参加者の中には、女性を「真のムーラン」として賛美する動きもある。
きっかけは、2020年に全米公開されるディズニーの実写版「ムーラン」の主演女優に選ばれたリウ・イーフェイさんの発言。
自身のウェイボーで「香港警察を支持します」と投稿したことがきっかけで、香港の人々やデモを支持する人たちから「#BoycottMulan(ムーランをボイコットしよう)」という運動が広まった。
香港では、リウさんの代わりに、デモで怪我を負った女性こそが「戦う女性」のムーランにふさわしいとして、右目に包帯を巻いた女性の絵に「真のムーラン」と書かれた画像も出回っている。