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花粉症→寝不足→さらに悪化...「負のスパイラル」から抜け出すための新習慣

花粉症による鼻づまりで睡眠不足になると、さらに症状が悪化するらしい。この悪循環を解消する4つの方法をご紹介。
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studiomoment via Getty Images
Cold flu illness of woman - tissue blowing runny nose at home

今年も花粉シーズンがやってきてしまった……。寝る前に鼻が詰まって呼吸がしづらい。鼻水が止まらなくて眠れない。花粉症により寝不足な毎日を過ごしている人もいるだろう。

花粉症の発症者は、年々増加傾向にある。「自分には無縁」と思っていても、ある日突然アレルギー反応が現れる。それが花粉症というものだ。

この恐ろしい「花粉と睡眠」の関係について、医師・医学博士である坪田聡先生に話を聞いた。

寝不足が花粉症に拍車をかける

製薬会社グラクソ・スミスクラインが行った、花粉症と眠りに関する調査によると、睡眠中や就寝時に花粉症の症状が「つらい」と感じている人が過半数に及ぶということがわかった。

花粉症でつらいと感じるときは?

1位 就寝時 27%

2位 仕事中・デスクワーク時 21%

3位 睡眠中 20%

4位 人と話しているとき 6%

5位 起床時 5%

実は、花粉症による寝不足が、さらにアレルギー症状を重症化させてしまっているらしい。十分な睡眠が得られないと、ストレスや、疲労の蓄積により体内の免疫力が低下。それにより花粉などによるアレルギー症状がさらに深刻化するというのだ。

睡眠不足が花粉症に拍車をかけているとは……まさに「負のスパイラル」。今年こそ、花粉シーズンの睡眠不足から脱却できるかもしれない。いますぐ実践できる対策をご紹介しよう。

時間によって薬の種類を使い分けよう

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花粉症の症状をやわらげる薬を服用している人も多いことだろう。花粉症の薬は内服薬や点鼻薬など数多く存在する。内服薬は、効果や副作用が異なるため、体質や生活リズム、仕事によって使い分ける必要がある。

「眠くならない内服薬は朝に、眠くなりやすい薬は夕食後に服用すると、就寝時に眠りにつきやすくなる」と坪田先生。

ドラッグストアで売っている市販薬や、処方された薬は、効能と副作用に合わせて使い分けるとよさそうだ。複数の薬を服用する際は、医師や薬剤師に相談して決めよう。

寝具の花粉を取り除こう

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いざベッドに入ると、急に鼻がムズムズして、花粉症の症状が現れることがある。これは、人の動きがなくなることで空気の流れが止まり、室内に浮遊していた花粉がベッドや寝具に落ちるから。

寝具に付着した花粉は、睡眠時の睡眠を妨げてしまいます。ふとんを屋外に干すと、1回で数千個の花粉が付着すると言われています。

坪田先生のアドバイスによると「花粉シーズンは、ふとんや枕を天日干しせずに、ふとん乾燥機や、ふとんクリーナーを使ってケアすることをおすすめします。入浴で、髪の毛や体に付着した花粉を落としておくことも大切」。

空気が乾燥する季節、加湿器などで室内の湿度を上げておけば、花粉が水分を含み、落ちやすくなる。坪田先生によると最適な湿度の目処は50%。事前に調整しておけばよりスムーズに花粉を取り除くことができる。

ふとんクリーナーは、花粉だけではなく、ダニのフンや死骸、埃などのハウスダストにも効果的。アレル物質を含むハウスダストを除去して、清潔な寝具を使うことが快眠への近道となる。

温かいハーブティを飲もう

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寝る前に鼻づまりが解消されないときは、カモミールやミントなどのハーブティを飲むといいらしい。

ハーブティに限らず温かい飲み物は鼻づまりをやわらげる効果があるそう。坪田先生はこう説明する。「温かい飲み物は、温度と湯気の効果で鼻粘膜の血流をよくし、鼻づまりをやわらげる効果があります。入浴なども湯気により同様の効果があるといえます」。

温かいハーブティは、香りによるリラックス効果に加え、カフェインを含まないため、入眠効果が高いのだ。

鼻うがいをしよう

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それでも鼻づまりが解消されないなら「鼻うがい」が効果的。鼻うがいは痛い・苦しいというイメージを持っている人もいるかもしれないが、正しいやり方をすれば痛みはほぼなく、慣れれば鼻をかむよりも効果的に鼻から花粉をとり除ける。

坪田先生によると、鼻うがいは真水ではなく、人間の体液の浸透圧と同じ、0.9%の食塩水で行うといいそう。1リットルのぬるま湯に、9グラムの食塩を溶かせば完成だ。

片方の鼻の穴を指で押さえ、少し息を止めて、もう片方の鼻の穴から食塩水を吸い込み、口から出す。顔を横向きにした状態で、ノズルの細い容器を利用すればよりスムーズに行える。

「ドラッグストアにも鼻うがい用の洗浄薬や、市販の生理食塩水が売られているので、手軽に利用できるでしょう」(坪田先生)。

花粉シーズンは、睡眠時間が1.2時間も減る

個人差はあるものの、一般的に最適な睡眠時間は6時間半~7時間半と言われている。坪田先生は、花粉症の人は花粉の時期とそうでない時期で、1日あたりの平均睡眠時間が約1.2時間もの差があると説明する。

「睡眠時間が不足するだけではなく、鼻づまりの不快感は睡眠の質にも悪影響があります。睡眠時間も短く、眠りが浅いと、頭がぼーっとして、仕事の効率が下がったり、事故のリスクが高まるのです。不眠症を治さずに放っておくと、ストレスや疲労により、鬱になる可能性は約30倍に高まります。また、生活習慣病、高血圧、脂質異常症、糖尿病、肥満などを引き起こすリスクがあります」

毎年この季節はしょうがない……と諦めてはいないだろうか? 単なる花粉症とあなどってはいけない。花粉症→睡眠不足の「負のスパイラル」に陥っているなら、今すぐ対策をして、できるだけ質の良い睡眠を確保しよう。

【監修者プロフィール】

坪田聡(つぼた さとる)

医師、医学博士、雨晴クリニック副院長。医師としての診療と同時に、ビジネス・コーチとしても活動中。日本睡眠学会、日本医師会、日本コーチ協会、ヘルスケア・コーチング研究会に所属。著書に『あなたを変える睡眠力』(宝島社)、『睡眠は50歳から「老化」する』(大和書房)など多数。

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