互いに身を寄せ合うハタネズミの雄と雌。
Credit: Zack Johnson
多くの哺乳類種は一夫一妻型のペアの絆を形成しないが、プレーリーハタネズミ(Microtus ochrogaster)はそうした絆を形成する。
報酬処理ネットワークをなす脳結合領域でのオキシトシンおよびドーパミン信号が社会的絆形成行動を促すとされているが、その神経機構は明らかになっていなかった。
今回R Liuたちは、ハタネズミの前頭前野と側坐核の間の結合で活動を刺激すると、交尾を伴わなくても、提示されたパートナーに対する雌の嗜好に偏りが生じることを示している。
これは、この結合が単に社会的絆形成と相関しているのではなく、それを実際に強化できることを示唆する。今回の知見により、脳の報酬系が社会的相互作用によって動員されて社会的絆を形成し得る仕組みが明らかになった。
Nature546, 7657
2017年6月8日
原著論文:
doi:10.1038/nature22381
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