アジア太平洋地域6カ国において、性暴力の実態について初の調査が行われ、驚くべき数値が発表された。
バングラデシュ、中国、カンボジア、インドネシア、パプアニューギニア、スリランカの6ヵ国における1万人の男性を対象に行った調査結果によれば、約10人に1人の男性(11%)が、パートナー以外の女性をレイプしたことがあると認めた。自分のパートナーも含めた場合、その割合は24%まで上昇する。
「レイプをしたことがある」と答えた者の割合が最も多いのはパプアニューギニアで、60.7%という結果になった。ただし、性暴力の蔓延の度合いは、国のなかでも地域によって大きく異なっている(例えば、インドネシアの首都ジャカルタでは26%、同国パプア州では49%)。
調査の対象となったのは、6カ国における18~49歳の男性。チームが1対1の聞き取り調査を行って回答を集めた。
調査内容には、性的暴行の動機に関する詳細も含まれている。回答者のおよそ4分の3(73%)が「自分には性的な欲求を満たす資格がある」という考え方を示し、半数以上(59%)は「娯楽」としてレイプを行ったと説明している。また、回答者の38%は、「女性を罰する目的」だったとしている。
今回の調査は、国連の4つの機関が合同で取り組む「パートナーズ・フォー・プリベンション」の一環として行われた。アジア太平洋における、ジェンダーに基づいた暴力行為を防止するためのプロジェクトだ。
調査を主導したレイチェル・ジュークス氏は、「われわれは性暴力暴力が起こらないような文化を育てるよう努力する必要がある」と述べている。
また、今年6月には、世界保健機構(WHO)が、世界の3人に1人の女性が性的または身体的な暴力を受けていると報告している(日本語版記事)。
[Sara Gates(English) 日本語版:兵藤説子/ガリレオ]
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