ベースアップ(ベア)を含め、来春の賃上げ検討を表明する企業が増えている。消費増税を乗り越え、安倍政権が目指す持続的な景気拡大や脱デフレを達成するには、所得環境の改善が不可欠なだけに、賃上げの動きの広がりは、フォローの風となりそうだ。
アベノミクス成否のカギを握るとも言える家計所得の改善。政府は、政労使会議を設けるなどし、異例とも言える形で企業側の行動を促してきた。
政府の要請に対し、企業からは「社会の公器である企業が政府とともに経済を下支えすることは大事なこと」(新浪剛史・ローソン
<ベアに前向きな発言も>
日本電産
三菱自動車
<製造業と非製造業の格差是正>
製造業と非製造業の賃金格差是正も念頭に賃上げを表明するのはローソンの新浪CEO。製造業から非製造業に雇用が移ると賃金が下がることがデフレの一要因になっていると指摘し「非製造業は生産性を上げ、賃金を上げることが必要。2―3%は賃上げをしていきたい」と、今春に続いて賃上げを実施する方針だ。実施方法は検討中ながら、消費意欲を喚起する意味も込めて20―40代の賃上げを行う方針で、ボーナスへの上積みが有力だ。
賃上げの検討は、業績好調企業だけにとどまらない。2014年3月期は3期連続で最終赤字計画のアドバンテスト
<業績を見極める姿勢>
10月に開かれた政労使会議で、川村隆会長が「ベアも選択肢」と発言して注目された日立製作所
キーエンス
野村ホールディングス
毎月勤労統計では、現金給与総額は2011年、2012年と2年連続で減少。うち、所定内給与は2006年以降、7年連続でマイナスとなっている。
[東京 30日 ロイター]
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