賃上げは正しいのか?甘利氏「賃金を上げないと恥ずかしい環境つくる」発言に異論多数【争点:アベノミクス】

甘利明経済再生担当相はTV番組で、「賃金を上げないと恥ずかしい企業だという環境をつくりたい」と述べた。しかし、甘利氏の発言に多数の異論が出ている。
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jiji

甘利明経済再生担当相は10月19日に放送されたBS朝日の番組において、「賃金を上げないと恥ずかしい企業だという環境をつくりたい」と述べた。

来年の4月から消費税は上がりますから、物価は確実に上がります。あんまり遅れないで(賃金を)上げてもらいたい。来年の春闘はすごく大事なんです。政労使の会議で、トヨタ(自動車)にしても日立(製作所)にしても経団連にしても、かなり踏み込んだ、いままでと違う発言をしました。それをてこにして、「企業収益が上がっているのに賃金を上げない、下請け代金を上げないのは恥ずかしい企業だ」という環境を正直つくりたいんです。

(朝日新聞デジタル「「賃金上がらなかったら我々は失敗」 甘利経済再生相」より。)

安倍首相は10月17日の「経済の好循環実現に向けた政労使会議」の第2回会合において、経済界に対し賃上げを要求。経済界からも、賃上げを前向きに検討するという発言を引き出している。

しかし政府が推進する賃上げ政策に、真っ向から異論を唱える人もいる。

ブロガーの小笠原誠治氏は、企業の利益が出る理由を企業が行ったコストカットによるものと指摘。日本人の賃金が上がれば、コストが増える。そのため、企業は今後、賃金の高い日本人雇用を抑えて海外の安い労働力を使う方向に流れるのではないかという。

これから先、日本国内の賃金がどんどん上がるようなことになれば、日本の企業は益々海外の労働力を当てにするようになるでしょう。

逆に、そうやって海外の労働力を利用するなどして、コスト削減に努めてきたからこそ日本の企業は利益を確保することができているのです。

それなのに、収益が上がっているのに賃金を上げないと恥ずかしい‥だなんて。論理が逆さまではないですか!

もし、そんな環境を政治家たちが作り上げてしまったら、それこそ、企業の海外大脱出が始まってしまうでしょう。

(経済ニュースゼミ「「賃上げなしは恥ずかしい」という甘利大臣こそ恥ずかしい!」より。)

また、中小企業など体力のない企業にとって甘利氏の発言は辛いのではないかという指摘もある。

1)この甘利経財相の発言はもの凄く重要です。消費税のアップは恒久的なもので、なおかつ再度の引き上げが予想される。であるから地方の中小企業も次の点を深刻に考慮する必要がある。

2)ひとつは地方の中小企業も従業員の可処分所得が減少する対策を考えないと、人材の流出につながること。つまり営業利益の3%以上の上昇が急務であること。中小企業は人の問題に尽きる。その部分が不安定になると、利益どころではなくなる。

3)もうひとつは大企業は政府の締め付けがあるので賃金のファンド総額は上げざる得ない。またはベアアップという恒久的な賃上げも否定できない状況になる。 そのしわ寄せは地方の産業に襲いかかるであろうこと。

4)上場している企業がどこまでコストダウンしているのかの実態を知ると、中小企業ではまだまだやらなければならないことが多い。 結論は「強い政府はその意向が待った無しにやってくる」ということだ。

— 戸高 豊文 (@blueskywide) October 20, 2013

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