デフレ脱却に向けて安倍首相が経済界に賃上げを要求していることを受け、企業側も前向きになっているようだ。どのくらい賃上げが行われるのかも気になるところだが、どのような方法で賃金が支払われるのかという点も、気にしたほうが良いかもしれない。というのも、「賃上げ分をクーポンで支払う」という案も出てきているからだ。ローソンの新浪剛史CEOの話として、テレ朝newsが報じている。
ローソンの新浪剛史CEO=最高経営責任者は、社員に対する賃上げ分が消費に回るよう、商品のクーポンでの支払いも検討していることを明らかにしました。
ローソン・新浪剛史CEO:「うちの会社は今、給与を増やすと言っているが、ぜひその給与が銀行に行かないよう、クーポンで払うとかいろいろなことを考えています」
(テレ朝news「賃上げ分をクーポンで支払い検討…ローソン新浪社長」より。 2013/10/29 19:01)
新浪CEOは、安倍政権における経済政策の司令塔「産業競争力会議」の民間議員の一人だ。新浪CEOは今年2月、安倍首相の呼びかけにいち早く応じ、若手社員約3300人を対象に今年2回の賞与を、平均で計15万円上乗せすることを発表。また、今月8日にも、来年度の社員給与を年収の2~3%分賃上げする方針を明らかにしている。
賃上げ対象は今年度と同様に子育て世代の20~40歳代で、引き続きボーナスに上乗せするか、給与のベースアップやクーポン支給などの形も検討するという。ただ新浪社長は「ちょこちょこ上げても消費に回らない。銀行に預けず使ってほしいので、ボーナス2回に上積みしたい」との考えを示した。
(MSN産経ニュース「ローソンの新浪CEOが来年度も「賃上げ」と表明 年収の2~3%分で」より。 2013/10/8 18:57)
なおポイントサービスなどで顧客囲い込みなどを行うことは有効だとされる調査結果もあるため、新浪CEOが自社のサービスを利用するクーポンを賃金として支給するのであれば、同社の売上にも貢献しそうだ。
ただ、ローソンの組合ではクーポンでの支給を反対しているとのことで、新浪CEOは「実現は難しいかもしれない」と話している。
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