「女でも男でもなく人間として見てほしい」「服装に選択肢をください」
ゴールデンウイーク最終日の5月7日、セクシュアル・マイノリティの人たちのそんな言葉とともに、東京・渋谷の街がレインボーカラーで彩られた。
渋谷の街を虹色にしたのは、セクシュアル・マイノリティの祭典「東京レインボープライド」のパレード。
2012年に始まった東京レインボープライドは、今回で6回目となる。当初4500人だった参加者は10万8000人に増え、過去最高の5000人がパレードを歩いた。
「LGBT」と一言で言っても、当然ながらひとりひとりは違う。セクシュアリティや国籍だけでなく、性格や考え方も様々だ。
パレードに出た23のフロート(山車)も、教育など“固め“な話題をテーマにしたものから、大音響で踊るクラブイベントのような“柔らかめ“のものまで、個性豊か。参加者たちは自分の好きなフロートを選んで、思い思いの服装で街を歩いた。
思い思いの服装で参加した人たち
どんなメッセージを伝えた?
「女でも男でもなく人間として見てほしい」
「私たちは米国で結婚しています」
「差別なんていらない!」
「きみはひとりじゃない!知っていましたか?日本国内全人口の7.6%がLGBTであることを」
「なぜ二択? 服装に選択肢をください」
「職員室に1人LGBTがいます」
「みんなで幸せになろう♡♡」
「教科書にLGBTを!」
「私は健康な ×オカマ ×オネエ ×性同一性障害 ◎トランスジェンダーです!」
「式は挙げた。あとは入籍だ!」
「国際同性カップル 同性婚!外国籍のパートナーに配偶者ビザを!」
「私はクリスチャン。LGBTQの人たちを支持します」
セクシュアル・マイノリティをめぐる環境は、東京レインボープライドが初めて開催された2012年に比べて大きく変わってきた。
同性カップルに結婚に相当する関係を認めるいわゆる「パートナーシップ条例」は、2015年に東京・渋谷区と世田谷区で始まり、他の自治体にも広がりつつある。
年々大きくなっている東京レインボープライドの規模と、セクシュアル・マイノリティの存在感。今後のレインボープライドのあり方について、共同代表理事の山縣真矢(やまがた しんや)さんは「他のマイノリティの問題についても目を向けながら、もっと大きな枠組みで取り組んでいかなければいけないと思っています」と話している。
7日のパレードに参加していた人たちは、主張も装いも様々だったが、「私は私でいい、あなたはあなたでいい、違うのが普通」という考えて強く結ばれていた。
「それぞれが違っているのがいい」という、多様性を受け入れる考えが当たり前になれば、“マイノリティ”と呼ばれ、偏見や差別を感じてきた人たちは、もっと笑顔で生きやすくなるのかもしれない。
笑顔があふれるパレードでした!
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