梅雨時のジメジメした湿気に不快感を覚え、なかなか寝つけず、昼間にひどい眠気に襲われることはありませんか?
実はそれ、湿気だけが原因ではなさそうです。管理栄養士のコーゲヨーコさんによれば、「太陽が出にくい梅雨時期特有のセロトニン不足が考えられる」とのこと。
日に当たっていないだけで眠れなくなるなんて、一体、身体の中で何が起きているんでしょうか?
■夜型の人もご用心! 「セロトニン」不足が睡眠をダメにする
そもそもセロトニンは睡眠とどんな関係があるのでしょうか?
「セロトニンとは脳内ホルモンの一つ。ストレスホルモンによって興奮した神経を沈静化し、脳内でメラトニンという睡眠ホルモンに変えてくれる物質です。血圧や体温、脈拍を下げる作用もあるため、スムーズに入眠できるようになります」(コーゲヨーコさん)
睡眠に欠かせないセロトニンですが、日中の活動によって分泌量に大きな差が生まれるそう。
「セロトニンは日光を浴びることで生成されます。そのため、日照時間の少ない梅雨のシーズンはどうしてもセロトニンが減少してしまいます。
また、運動不足もセロトニン伝達に関わる神経が衰える原因となるので、普段昼夜逆転の生活やオフィスにずっとこもりがちの人は要注意です」(コーゲヨーコさん)
そんな梅雨時のセロトニン不足を解決するには、「食事での補填が近道」と言います。
■納豆×ヨーグルトのW発酵パワーが眠気解消のカギ!
コーゲヨーコさんによると「食事の中でも、特に和食はセロトニンを増やすのに有効」とのこと。
「セロトニンは、原料となるアミノ酸の一種・トリプトファンを食事として取り入れなければ生成されません。
そのため、大豆などの豆類や肉・魚介類、乳製品など、トリプトファンを多く含む食品を積極的に摂ることが大切です。中でも、豆類はトリプトファンの量が多く、消化にも良いのでおすすめです。
また、納豆や味噌などの発酵食品は腸内環境も整えてくれるため、和食はセロトニン生成のために非常に理想的なんです」(コーゲヨーコさん)
また、食事のタイミングにもポイントがあるそうです。
「セロトニンが睡眠ホルモンのメラトニンに分解されるまで、10時間ほどかかります。そのため、トリプトファンが含まれた食材は朝食やランチに取り入れるのが効果的。良い睡眠は、朝食をしっかり食べることから始まっているんです」(コーゲヨーコさん)
では、和食の他に何かおすすめのメニューはありますか?
「意外と思われるかもしれませんが、発酵食品の合わせ技『納豆×ヨーグルト』。作り方は、納豆1パックにヨーグルトを大さじ2~3杯加えて混ぜるだけです。
消化の良い納豆が乳製品のトリプトファン摂取をスムーズにして、効率良くセロトニンを増やすことができるんですよ。味はチーズのようで、相性の良いトマトを添えるとより食べやすくなります」(コーゲヨーコさん)
さらに、夜にもセロトニンを増やす効果的な食品があるのだとか。
「就寝前に睡眠の質をグッと高めたいなら、温めた豆乳がおすすめ。アミノ酸の一種であるグリシンが豊富に含まれており、睡眠を深めてくれます。また、朝が近づくとセロトニンの分泌量が増えていくので、自然とすっきり目覚められるようになり、日中の眠気に悩まされることもなくなります」(コーゲヨーコさん)
睡眠のカギを握っていたのは、意外と身近な日本の和食文化でした。梅雨時の眠れない夜に悩んでいる人は、まずは朝食に「納豆×ヨーグルト」を試してみてはいかがでしょう?
Fuminners 2016年6日3日の記事より抜粋