ロシア・モスクワ市内の動物園が、トップレスのモデルが登場するCMのために貸し出されたアライグマが「女性の胸に興味を持つようになった」として、広告会社を訴えた。3月16日、BBCなど複数メディアが報じた。
デイリー・テレグラフによると、トーマスと名付けられたアライグマは2016年8月にCM撮影のためロシアの広告会社Art-Mskに貸し出された。トーマスはCM撮影後、一種の「トラウマ」を抱えてしまい、女性の胸に執着するような素振りや、不健全な反応を見せるようになったという。
■Art-Mskのサイトに掲載されているCM撮影の一場面。動画は現在閲覧できない。
これを受けて動物園側は、広告会社に対して撮影された映像をウェブサイトから削除するよう求めた。しかし広告会社がこれを拒否したため、今回の訴訟に至った。動物園側は「裸の女性が登場する映像や写真にアライグマを使用することは不適切」と主張し、補償を要求。アライグマが裸のモデルと共演することも事前に知らされていなかったと批判した。
また、このCMがアライグマという種全体に対して世間が抱くイメージに「悪影響を与える」とも訴えた。
BBCニュースによると、広告会社はこの訴訟を「滑稽だ」と表現し、撮影されたCMはロシア全土で放送予定だったもので、放送倫理規定に違反するような「エロティック」な映像には該当しないと主張している。
広告会社のマーケティング部門責任者は、CMをウェブサイトから削除しなければ法的措置を取ると動物園側が主張していた当初、その要求は「冗談」の類だと思っていた。しかし訴訟に至った今は、この問題を深刻なものとして受け止め、「決して動物の権利を傷つけるようなことはしていないと明確にしたい」と語っている。
■関連画像集「アライグマ画像集」
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