増えすぎた野生のウサギを駆除するため、ニュージーランド政府が3月から国内各地で殺傷ウイルスをまくことになった。BBCなどが報じた。ウサギの食害に悩む農家などは歓迎するが、環境に悪影響を及ぼしかねないと反対する人たちもいるという。
BBCによると、ニュージーランドでは1830年代にウサギが輸入されたが、その後増殖。これまでに狩猟、毒殺、柵を作るなどの対策をとってきたが歯止めが効かず、農作物などが食い荒らされるなどの被害に農家らは悩まされてきた。
第1次産業省(MPI)によると、被害額は年平均で5000万ニュージーランドドル(25億円以上)にのぼるという。
今回使われるウイルスは「RHDV1-K5」。ウサギだけに効果があり、ウイルスに感染したウサギは発熱やけいれん、多臓器不全などを引き起こして、2〜4日以内に死亡する。
ウイルス散布の決定をめぐっては賛否が二分している。農業関係者は歓迎しているが、ペットのウサギへの影響を心配する人もいる。ワクチンを接種すれば死ぬことはないとされているが、環境へのダメージを懸念する声は絶えない。