リオ五輪代表に、将来性のある選手と、現在強い選手。どちらを選びますか

スポーツの代表選手の選考では、よく問題が起きます。団体競技ではそもそも選手の選考が監督に委ねられることが多く、選考会を作ること自体が難しくなります。
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Competitors racing in the city.
Tibor Nagy via Getty Images

シドニーから3大会連続で五輪に出場した元陸上選手と、一緒に考え、議論を深めます。議論は週刊誌AERAの連載で紹介します。いただいたコメントを抜粋・要約することもありますがご了承ください。

女子マラソンは3つの選考レースがあります。でも各レースの優勝者が必ず選ばれるわけではなく、選考側が状況に応じて決定できます。8月に行われる世界選手権の代表選考でも、あるレースでの優勝者が選考から落ち、別のレースで2位だった選手が選出され、物議を醸しました。

スポーツの代表選手の選考では、よく問題が起きます。団体競技ではそもそも選手の選考が監督に委ねられることが多く、選考会を作ること自体が難しくなります。例えば本人のスキルやチームに合わせる能力などさまざまな要素が絡むため、一定の基準で選考したところでチームの成果が上がるかどうかは分からない、と聞いたことがあります。

基準を明確にしすぎると、選ばれた人でチームを構成せざるを得ません。一方、基準を明らかにしないと恣意的な判断が混ざることもあります。陸上では以前、日本選手権で7位の選手が6人抜きで代表に選ばれたことがありました。選考理由を聞くと「将来性とチームワーク」という返答でした。

さて、ここで仮定の話をします。A競技では2016年のリオ五輪の代表選考会を終えました。選考会では35歳の為元選手が優勝し、代表入りは確実とも言われています。ところが蓋をあけてみると、選考会で2番だった吉田選手が代表に選ばれ、為元選手は落選しました。吉田選手はわずか16歳ですが、天才選手と呼ばれています。

競技は主に海外で普及しており、海外の選手との対戦経験が実力につながると言われています。吉田選手はまだ海外での経験がなく、リオで経験を積ませることが東京五輪での金メダル獲得に効果的と判断されました。これまでオリンピックで金メダルを獲得した選手のうち、9割は過去にオリンピックを経験した選手でした。

ここで皆さんに質問です。優勝した為元選手と、負けたけれど将来性のある吉田選手。あなたならどちらを代表に選びますか? ぜひ理由も一緒にお聞かせください。

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Twitter:@daijapan

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