カタールワールドカップ 労働者への人権侵害に抗議するために作られた「スポンサー」ロゴ(画像)

2022年にカタールで開催されるサッカーワールドカップのスタジアムの建築工事で、すでに少なくとも1200人が死亡した可能性があると、国際的な労働組合の組織「国際労働組合総連合」のレポートが報告している
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われわれは誇りをもって、ワールドカップ2022の人権侵害をサポートしています」

2022年にカタールで開催されるサッカーワールドカップのスタジアムの建築工事で、すでに少なくとも1200人が死亡した可能性があると、国際的な労働組合の組織「国際労働組合総連合」のレポートしている。

このままのペースで犠牲者が増えれば、7年後にワールドカップが始まるまでには4000人近くが命を落とすことになる。これは1試合につき、62人もの人が亡くなる計算だと、レポートは伝える。

カタールのワールドカップの工事現場で、外国人労働者たちが過酷な環境で働かされていることは、海外のメディアや人権団体などによって相次いで報告されている

アムネスティ・インターナショナルの報告書は、労働者たちが43℃を超える酷暑の中で1日最大12時間、週7日の労働を強いられていると伝える。多くがIDカードや渡航許可証を雇用者に取り上げられており、悲惨な生活環境でまるで家畜のように扱われているという。

ワールドカップを主催する国際サッカー連盟(FIFA)は現在、贈収賄や人権侵害の疑いで、国際社会の厳しい目にさらされている。5月27日には、FIFA幹部14人が、FIFAの巨額の利権をめぐる不正行為と汚職の嫌疑で起訴された。カタールも、招致活動に不正があったとする疑惑が報じられていたが、2014年にFIFAは、カタール開催決定に関して不正は認められなかったという調査結果を発表している。

しかし今回FIFA本部は、カタールとロシアの大会招致についても、あらためて調査を行うことを明らかにした。ただしその調査結果によって、2018年ロシア大会、2022年カタール大会の開催が取り消されることはないともFIFAは述べている。

カタール政府は出稼ぎ労働者の労働環境を改善すると約束してはいるが、これまでのところほとんど成果はあがっていない。一方、FIFAの主要スポンサー4社(ソニー、アディダス、VISA、コカコーラ)も、労働者の人権問題に関する調査を要求してはいるが、いまのところスポンサーを降りるつもりはないようだ。

このスポンサーの姿勢に抗議の意を表すために、何十人ものイラストレーターやデザイナーたちが活動を始めている。

ワールドカップへの協賛を続けるスポンサー企業のロゴを、皮肉を込めてデザインし直し「Reddit」に投稿。その一部はアート系コミュニティサイト「Bored Panda」にも掲載されている。

彼らの抗議のメッセージを込めたロゴを紹介する。

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「奴隷がいなければ王様にはなれない」

この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

[日本語版:水書健司/ガリレオ]

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