台湾東部の新馬駅で10月21日、台湾鉄道の特急列車「普悠瑪號(プユマ号)」が脱線し、多数の死傷者が出た。中央通訊社は22日正午現在、18人が死亡し、187人が負傷したと報じた。事故原因は調査中だ。
■プユマ号とは?
プユマ号は日本製で、名古屋市に本社を置く「日本車輌製造」が製造した。JR東海の子会社で、N700系を初めとする新幹線車両を製造している。
同社の公式サイトによると、プユマ号は「TEMU2000型」として開発・製造された。空気バネを用いた「振り子式電車」で、営業最高速度は時速140キロだ。カーブの区間では最大2度の角度で車体を傾けることで、安定して高速走行できるという。
フォーカス台湾によると、台湾鉄道が17編成(136両)を約300億円で購入し、2013年2月から営業運転が始まった。流線型の車体に白地の赤いボディーラインに塗られ、太平洋沿いの東部幹線に導入。現地での公募の結果、台湾南東部に住む原住民族の部族名から「プユマ号」の愛称がつけられた。
■メーカーが調査団を派遣も
今回の事故で、車両は「Wの字形」になって脱線、複数の車両が横転し4両が大破した。台湾当局は動力の異常で速度超過を防ぐ装置が動かなかった可能性も含め、原因の究明を急いでいる。
産経ニュースは、プユマ号を製造した日本車輌製造からも調査団が来台するとみられると報じている。
■脱線事故の瞬間の映像
監視カメラが事故の瞬間を捉えた映像を、中央通訊社がYouTube上で公開している。カーブを猛スピードで車両が進行し、脱線に至った様子が映り出されている。
【UPDATE】設計ミスが判明
「プユマ号」をつくった日本車輌製造は11月1日、車両の安全装置「自動列車防護装置」に設計ミスがあったと発表した。本来は運転士が装置を切ると、その情報が運行を管理する指令員に自動で伝わるはずだったが設計ミスが原因で伝わらないようになっていたと、朝日新聞デジタルが報じている。(2018/11/03 18:57)