ホットドッグにケチャップをかけるのはダメなのか?シカゴスタイルが熱い

オバマ元大統領は言った。ホットドッグにケチャップをかけるのは「8歳以上は許されない」

アメリカの人は、ホットドッグが好きだ。全米ホットドッグ&ソーセージ評議会によると、メモリアルデー(5月最終月曜)からレイバーデー(9月第1月曜)の間に、約70億個が消費されている。

ご当地ホットドッグもたくさんある。全米ホットドッグ&ソーセージ評議会のウェブサイトでは18種類紹介されているが、これ以上あるだろうと考えられている。

アメリカで最も消費量が多いというニューヨーク州では、蒸した玉ねぎを挟んでマスタードをかける。

南西部で人気のソノランホットドッグは、ベーコンで巻かれたソーセージと一緒に、豆や玉ねぎ、トマト、ハラペーニョサルサなどを挟む。

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Brent Hofacker / 500px via Getty Images
ソノランホットドッグ

そういったご当地ホットドッグの中でも、ケチャップ論争が白熱するのがシカゴだ。

シカゴを舞台にしたHuluの人気番組「The Bear」エピソード4では、こんな議論が繰り広げられる。 

リッチー:ホットドッグにケチャップをかけるなんて、一体どんなバカなんだ

カーミー:子どもだよ

ホットドッグにケチャップをかけるのは子どもくらいだ、と考えるのはカーミーだけではないようだ。

長年シカゴに住んでいたバラク・オバマ元大統領も「8歳以上は許されない」と数年前にCNNのインタビューで答えている。

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Gregory Shamus via Getty Images
ホットドッグを食べながらバスケットボールを観戦するバラク・オバマ氏と、当時のイギリスの首相デーヴィッド・キャメロン氏(2012年3月13日)

シカゴのホットドッグとは?

伝統的なシカゴのホットドッグは、ケシの実を振ったバンズに、グリーンレリッシュや刻み玉ねぎ、きゅうりのピクルス、トマトなどを挟む。そこにセロリソルトやマスタード、好みでスポーツペッパー(からいチリ・ペッパー)をかける人もいる。

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LauriPatterson via Getty Images
シカゴスタイルのホットドッグ

シカゴ近郊のホットドッグスタンドの中には、「Gene’s & Jude’s」のように、自分達の商品に誇りを持ち、ケチャップを提供しない所がある一方で、客任せの店もある。 

シカゴ郊外にあるノースウェスタン大学教授で歴史家のビル・サヴェージさんは、穏健派だ。

「他の人がホットドッグをケチャップにかけるかどうかを誰が気にするのでしょう?」「一部の手厳しい人が『それは本物じゃありませんね』と言う以外、誰も気にしません」と話す。

その一方で、味の観点からケチャップに反対する意見もある。

全米ホットドッグ&ソーセージ評議会のエリック・ミッテンサル会長は「よく問題になるのはケチャップの甘さです。ホットドッグとあまり相性がよくない」と話す。

シカゴにあるホットドッグショップ「Hot Doug’s」のダグ・ソーンさんも、ケチャップについて「甘さと酸味、使われているシナモンやクローブなどの調味料が、他の具材とあいません」と述べる。

また「America’s Dog & Burger」オーナーのモノリス・アルポギアニスさんは、ケチャップは他の具材の味を損なってしまう、と指摘する。

一方、マスタードはOKだ。

Vienna Beef」幹部で、「Never Put Ketchup On A Hot Dog(ホットドッグにケチャップをかけてはいけない)」の著者ボブ・シュワルツさんは「マスタードはホットドッグとうまくブレンドする」と話す。 

ケチャップは子ども向け?

そんなシカゴでも、子どもはケチャップをかけることが許される。問題は「何歳までか」だ。

オバマ氏は8歳と言ったが、全米ホットドッグ&ソーセージ評議会は18歳としている。

アルポギアニスさんは、子どもがケチャップを好むのは、マスタードと玉ねぎのような複雑な味をあまり好まない傾向があるからだと説明する。

その一方で、味の好みには、年齢だけではなく遺伝も関係しているのかもしれない。

モネル化学感覚センターのダニエル・リード副所長は「ケチャップを含め、食べ物の好みは、年齢と遺伝に文化的要素が融合して形作られる」と説明する。

「生まれつき甘いものを強く好む遺伝子を持つ人たちがいます。この傾向は年齢で強く出るため、一般的に幼い子どもの方が大人より甘い食べ物が好きなのです」

リード氏にとって、ケチャップvsマスタード論争は、甘さと味わいの戦いだ。

「加工食品を甘すぎると感じる人がいる一方で、甘さを好む人もいます」

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ClarkandCompany via Getty Images
最近はベジタリアンホットドッグも人気

ホットドッグは自由だ

ケチャップを良しとしないのは、シカゴだけではない。全米ホットドッグ&ソーセージ評議会が紹介するご当地ホットドッグの中で、ケチャップを使っているものはない。

それでもやはり、ケチャップ論争が白熱するのはシカゴのようだ。シュワルツ氏はこれには、シカゴの文化も関係していると話す。つまり、伝統的にホットドッグにケチャップをかけない地域もあるということだ。

もちろん全員が伝統に従うわけではない。1000人のアメリカ在住者を対象に行われた2021年の全米ホットドッグ&ソーセージ評議会の調査では、一番人気のホットドッグトッピングはマスタードで、その次がケチャップ、玉ねぎと続いた。

(人気のホットドッグトッピング)

1. マスタード(68%)

2. ケチャップ(61%)

3. 玉ねぎ(61%)

4. レリッシュ(41%)

5. チリ(30%)

6. チーズ(29%)

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Hot Dog and Sausage Council

しかしなんと言っても、ホットドッグの良いところは、トッピングが自由に選べるところ、そして一人一人がクリエイティブになれるところだ。

ソーン氏は「食べ物には2つの種類があります。美味しいか、まずいかです」と話す。「美味しいと感じるものを、楽しめばいいのです」  

ハフポストUS版の記事を翻訳しました。 

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