プーチン氏の支持率70%超に回復 ロシアは国境で大演習【ウクライナ情勢】

ロシアのプーチン大統領の支持率が70%を超えて、2011年に大統領に復帰して以降最も高くなったとする調査結果が出た。ウクライナ情勢への対応が支持率を押し上げた要因と見られる
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SOCHI, RUSSIA - MARCH 13: Russian President Vladimir Putin speaks during a meeting with members of the International Paralympic Committee (IPC) on March 13,2014 in Sochi, Russia. (Photo by Sasha Mordovets/Getty Images)
Sasha Mordovets via Getty Images

ロシア政府系の全ロシア世論調査センターは3月13日、プーチン大統領の支持率が70%を超え、2011年に大統領に復帰して以降最も高くなったとする調査結果を発表した。ウクライナ情勢への対応が支持率を押し上げた要因と見られる。NHKなどが伝えた。

調査は3月8日と9日、ロシア全土で1600人を対象に行った。

「プーチン大統領の仕事ぶりを支持するか」という質問に対し、前の週より3.8ポイント高い71.6%が「支持する」と答え、大統領に復帰したおととし5月の68.8%を上回り最も高くなりました。

プーチン大統領の支持率は、ソチオリンピック前のことし1月には60.6%で、この2か月で10ポイント以上上昇しました。

(NHKニュース「プーチン氏支持率 70%超に」より 2014/03/14 09:43)

全ロシア世論調査センターは、ソチ冬季オリンピックの成功や、ロシアが実効支配を強めたウクライナ南部クリミア問題でのプーチン氏の対応が、支持率を押し上げたと分析しているという。

クリミア自治共和国では、ロシア編入の是非を問う住民投票が16日に予定されている。欧米が制裁をちらつかせて情勢が緊迫するなか、ロシアは3月13日、ウクライナ国境で大規模な演習を実施した。

ロシア政府高官は13日、ウクライナ情勢をめぐり欧米がロシアに制裁を科せば報復として「同様の措置」を発動すると述べ、既に具体的な対抗措置を検討していることを示唆した。ロシア軍は同日、ウクライナ国境で大規模な演習を実施、ウクライナへの軍事圧力を強めるとともに欧米に対抗する姿勢を鮮明にした。

(MSN産経ニュース「【ウクライナ情勢】ロシア、国境で大演習、報復措置も示唆 独首相は甚大な打撃を警告」より 2014/03/14 08:31)

また、NHKニュースによると、ロシア政府系のガス会社「ガスプロム」のミレル社長も13日、未払いのガス代金として18億ドル(約1800億円)の支払いを迫る考えを示し、ウクライナの暫定政権に圧力を強めて欧米諸国をけん制する構えを見せているという。

■ケリー長官、米欧が17日に制裁と警告

これに対して、アメリカのケリー国務長官は13日、住民投票が予定通りに実施されれば、アメリカとヨーロッパ連合(EU)は17日に「重大な措置がとられるだろう」と述べ、制裁を強める考えを示してロシアへの圧力を一段と強めている。

ケリー国務長官は議会公聴会で、14日にロンドンで予定されているロシアのラブロフ外相との会談を通して、制裁も含むこうした措置の発動を回避することを望んでいると発言。

ただ、「問題解決に向け進展の余地が見られなければ、用意されている選択肢に従い、欧州、および米国は非常に重大な措置を導入する」と述べた。

(ロイター「米EUが17日に重大な措置、クリミア住民投票実施なら=米国務長官」より 2014/03/14 03:57)

オバマ政権はすでに、ロシアとウクライナの個人や企業に対しビザの発給停止や資産凍結などの措置の導入に向け準備を整えているという。

MSN産経ニュースによると、ドイツのメルケル首相も13日、ロシアは姿勢を改めなければ甚大な打撃を受けると警告した。「先進国クラブ」と称される経済協力開発機構(OECD)はロシアとの加盟交渉の停止を発表、圧力をかけたという。

住民投票を前に、欧米とロシアとの間で激しい駆け引きが続いている。

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