日本時間の17日夜から始まるG8(主要国首脳会議)に参加するロシアのプーチン大統領が、アメフトのチャンピオンリングを「盗んだ」として話題となっている。
6月15日付けのニューヨーク・ポストによると、アメリカンフットボールの強豪ニューイングランド・ペイトリオッツのオーナー、ロバート・クラフトがカーネギー・ホール主催のメダル授賞式「メダル・オブ・エクセレンス・ガラ」の席上で、プーチン大統領にチャンピオンリングを「盗まれた」と明かした。
ペイトリオッツは、ナショナル・フットボールリーグ(NFL)のアメリカン・フットボール・カンファレンス(AFC)東地区に所属する強豪チーム。毎年1月下旬に行われるNFLの優勝決定戦「スーパーボウル」にこれまで6度出場し、2001年、2003年、2004年と3度にわたって優勝した。スーパーボウルのチャンピオンリングはダイヤモンドやサファイヤが散りばめられ、優勝チームにのみ与えられる非常に名誉あるものだ。
クラフトは2005年1月、ロシア・サンクトペテルブルクで行われたプーチン大統領とアメリカの経営者たちとの会合の際、プーチン大統領にチャンピオンリングを見せたという。
「私がリングを取り出してプーチンに見せたら、彼はそれを指にはめ、こう言いました。『このリングで人も殺せますね』」
「私が(返してもらおうと)手を伸ばしたら、彼はリングをポケットの中に入れてしまいました。そして3人のKGB(旧ソ連の情報機関、現在はFSB/ロシア連邦保安庁)の警備が彼を取り囲み、そのまま部屋から出て行ったのです」
2005年当時は、クラフトからプーチン大統領に「プレゼントした」という声明を出していた。
しかし、クラフトは「ホワイトハウスからの要請で」プレゼントとしたことを暴露している。彼はブッシュ前大統領の側近から「あなたからのプレゼントということにしてもらえれば、米ロ友好にとって最大の利益になる」と言われたという。
これに対し、プーチン大統領の報道官ドミトリー・ペスコフは「クラフト氏が今になってなぜそんなことを言うのか不思議だ」と述べ、「私はその時プーチン大統領とクラフト氏が話しているところから20センチと離れていないところに立っていた。そしてクラフト氏が大統領にプレゼントとしてリングを渡しているところを見聞きしている」と否定した。
夫人との離婚を発表するなど、何かとお騒がせのプーチン大統領。6月12日にはモスクワで1万人規模のデモが行われるなど、ロシア国民の反発も根強い。今回のクラフトによる「暴露」も波紋を呼びそうだ。
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