プーチン政権を批判し、ウクライナに逃れた前ロシア議員が、3月23日に首都キエフで銃殺された。ニューヨークタイムズなどが報じた。
殺害されたのは、前ロシア議員のデニス・ボロネンコフ氏。2014年3月に起きたロシアのクリミア併合を批判し、2016年にウクライナに逃亡した人物だ。
親ロ派のヤヌコビッチ前ウクライナ大統領への反逆事件で、ウクライナ当局の手助けもした。
ボロネンコフ氏は、キエフの高級ホテルに向かっている途中に、銃で撃たれた。容疑者は、旧ソ連時代にデザインされたトカレフ銃で発砲。ボロネンコフ氏のボディーガードが銃で応戦した。
ニューヨークタイムズが報じた地元警察の話によると、容疑者とボロネンコフ氏のボディーガードは、数メートルの距離から少なくとも計20発を撃ち合い、側道には血痕や薬きょうが飛び散った。
地元検察の話では、ボロネンコフ氏は4回撃たれ、その場で死亡した。ボディーガードは胸を撃たれたが、生存している。一方容疑者は、頭に被弾した後に捕らえられ、搬送先の病院で死亡した。
ボロネンコフ氏は、ヤヌコビッチ前ウクライナ大統領に対する裁判で都合の悪い法廷証言をするのを防ぐ目的で、殺害された可能性がある。
もしくは、諜報機関であるロシア連邦保安局のマネーロンダリング(資金洗浄)計画について、詳細を知りすぎたことが原因であるとも指摘されている。
地元検察は「これは見せしめの殺人で、ロシアではよくあることだ」と話した。
ボロネンコフ氏の殺害について、ウクライナのポロシェンコ大統領が「ロシアによる国家のテロ行為だ」と批判したと、ハフィントンポストUS版が報じた。