ロシアのプーチン大統領は3月1日、モスクワで年次教書演説を行う中で、アメリカのフロリダ半島を核攻撃するイメージ映像を流した。
ロシア・トゥデイの中継によると、プーチン大統領は、新型の核ミサイル「RS-28サルマト」を紹介。重量200トンの核爆弾を運ぶことができ、ミサイル防衛システムでは迎撃不可能だという。
「この映像を見てくれ」とプーチン大統領が映したイメージ映像は衝撃的なものだった。
ロシアの平原から打ち上げられた「サルマト」が宇宙空間で複数の弾頭に分裂し、フロリダ半島の西海岸に向かって襲いかかるというものだったからだ。
中継動画では放送開始から1時間27分〜28分後に、この映像が映し出されている。
BBCは、プーチン大統領がフロリダを仮想標的にした理由について、トランプ大統領の別荘「マー・ア・ラゴ」があるからではないかと推測している。
国際戦略研究所のマーク・フィッツパトリック氏は、BBCの取材に対して「このイメージ映像は、戦争の戦略を示してはいない」「これはメッセージだ。ビデオそのものに象徴的な意味がある。思わせぶりなレトリックだ」と分析した。
■アメリカは反発
CNNは、プーチン大統領が新型核兵器を発表したことについて、アメリカ政府は反発を強めていると報じた。
国務省のヘザー・ナウアート報道官は1日の記者会見で、無責任な行動であり、ロシアが中距離核戦力全廃条約に違反していると指摘した。
また、「アメリカを核攻撃する映像を見たのは極めて残念だ」とした上で、「責任ある国際社会の一員の行動には見えない」と非難した。