サッカー・ワールドカップロシア大会の決勝戦(7月15日)でピッチに乱入した反政権の活動団体「プッシー・ライオット」のメンバー4人が、3年間にわたり、スポーツ施設に立ち入ることを禁止される処罰を受けることになった。ロシア紙「ベドモスチ」などが伝えた。
4人はフランスとクロアチアが対戦した決勝戦の後半7分、警察官の衣装を着てピッチに乱入。走り回ったり、フランスのエムバペ選手にハイタッチしたりするなどしたが、大会関係者に取り押さえられ、出された。
プッシー・ライオットがTwitterとFacebook、YouTubeで「犯行声明」を発表。乱入は、政治犯の釈放や刑事事件のでっち上げをしないよう、訴えるのが目的だったと明かした。
ロシア紙「コメルサント」によると、モスクワの地区裁判所は警察からの起訴を受け、4人がスポーツ会場での観客の振る舞いを規定したり、警察などの制服をむやみに着ることを禁じたりする行政法に違反した、と認定。3年間、スポーツ観戦のために会場に行くことを禁止する決定を言い渡した。
4人は15日間、拘留されることにもなった。
プッシー・ライオットはプーチン氏が再選を狙った大統領選への立候補を表明した2011年、反対を訴える目的で結成。2012年2月、メンバー5人が目出し帽姿でロシア正教会の中心的な施設「救世主キリスト大聖堂」(モスクワ)でゲリラ演奏を決行した。
プーチン氏とプーチン氏と関係のいいキリル・モスクワ総主教を批判する歌詞の歌を披露し、その模様をビデオで撮影、インターネットに投稿した。
5人のうち、女性3人がフーリガン(暴徒)行為の疑いで逮捕された。うち2人は禁錮2年の実刑判決、1人は禁錮2年執行猶予2年の有罪判決をそれぞれ受けた。