50年前の6月、一部の人々が立ち上がり、こう言った。「やめてくれ、もうこれ以上我慢できない!」... その人たちは、年齢も性別も貧富の差も肌の色も様々で、女装してる人もしていない人もいた。それは反乱だった。デモは街角の交差点を埋め尽くし、街灯のポールに登り、火を放ち、街中で歌った。この暴動はニューヨーク市のゲイバー、ストーンウォール・イン(Stonewall Inn)での警察による取り締まりが発端だった。しかしそれに続く運動の高まりがやがて世界を、そして歴史を揺るがすものとなった。
今、我々はその反乱の後を生きている。ストーンウォールは今も健在し、バーとして存在している。2015年にはそこでLGBTQの人々が集結し、アメリカにおける同性婚の合法化に祝杯をあげた。その1年後、彼らはこの場所でフロリダのゲイバー、パルス・ナイトクラブでの乱射事件について共に嘆き悲しんだ。そして今日では、LGBTQの人々に対するトランプ政権の攻撃への抗議運動の場所となっている。
しかし、ストーンウォールは単なる場所以上の意味を持つ。
インドでは、先日最高裁がソドミー法(膣性交以外の性行為を犯罪とする法律)を撤廃したが、一方ブラジルではLGBTQの人々が極右翼のジャイール・ボルソナーロ政権によって虐げられている。ストーンウォールはそのようにもがき苦しんでいる世界中のLGBTQの人々にとって、特別な心情がこめられ、試金石であり、世界中の多くの同様な状況を象徴する場所の一つとなっている。
日本では、近年LGBTQコミュニティの認知が徐々に広まってきている。2019年4月に行われた、「性」と「生」の多様性を祝福する人たちの祭典「東京レインボープライド」には、約20万人が参加したという。しかし、未だに同性婚は認められておらず、当事者の6割は学校生活でいじめを経験し、多くはカミングアウトをしていない。そんな中、今年のバレンタインデーには同性カップル13組が同性婚の実現を求め、一斉提訴し、歴史的一歩を踏み出した。
この機会に、ハフポストは次世代のLGBTQ変革者たちにスポットライトを当て、彼らの横顔を特集することに誇りに思う。我々のヒーローたちは、アメリカから韓国、チュニジアや日本、そしてさらに多くの国々へと、アイデンティティも職業も情熱も超越して活動を広げた。しかし、彼らはみなLGBTQ市民権運動の「今」に取り組んでいる。彼らは限界を押し広げ、声高に変革を求めて闘っている。彼らは「Proud Out Loud」、誇り高き者たちだ。ハフポストは心から彼らを誇りに思い、讃えたい。