シドニーから3大会連続で五輪に出場した元陸上選手と、一緒に考え、議論を深めます。議論は週刊誌AERAの連載で紹介します。いただいたコメントを抜粋・要約することもありますがご了承ください。
サイバーエージェントの藤田社長が日本経済新聞のコラムで、辞めた社員に苦言を程しています。以前、会社に大きな損失をもたらす失敗をした社員に、再度プロジェクトを任せた。が、他社に引き抜かれて途中で辞めた、というものです。インターネット上の意見は、「やめるのは個人の自由」「仕事を途中で投げ出すなんて常識がない」と分かれています。
さて、この話をフィクションに置き換え、考えてみたいと思います。あなたは、ある会社の社員です。同業他社から「うちで働かないか」という魅力的なオファーを受けています。人生においても大きなチャレンジで、成功すれば将来につながる良いポジションが約束されています。
ところが現在所属する企業でも、あなたはプロジェクトの責任者というポジションがあります。プロジェクトは数年単位で続く予定で、会社があなたに期待して任せてくれた、とても大きな仕事です。オファーをくれた会社は「1カ月で答えを出してほしい」と言っていますが、当然プロジェクトは終わりません。
他社に移っても法的な問題はありませんが、あなたがもつ情報やスキルが他社に移ることは、現在の会社には大きなマイナスです。一方、移籍先の会社にはそれがプラスになることが分かっており、だからこそのオファーともいえます。
辞めるのは個人の自由ですが、これまで所属する会社や上司、同僚からもらった恩を仇で返すことになります。一方で、一時的な情に流されて自分の可能性を潰したくない、という思いもあります。自分の都合を優先するのか、所属する会社の都合を優先するのか、という問題とも捉えられます。
さて、ここで皆さんに質問です。もしあなたが同じ状況に陥った場合、他社に移るか、いま所属する会社に残るか、どちらを選びますか。またその理由は何ですか。とても悩ましい状況ですが、是非ご意見をいただきたいと思います。
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