児童への性的虐待に関する時効について、自民党が見直しを始めた。現在の時効は、最後に被害を受けた日から起算するのに対し、見直し案では成人時を起算点とする方向で検討しているという。幼い時に虐待を受けた被害者が訴えを起こしやすいようにすることが狙いだ。
時事ドットコムによると、性的虐待の実態に詳しい寺町東子弁護士は、幼い被害者が虐待の意味を理解するのは早くて思春期以降で、加害者が親や兄弟、親族の場合には表面化していない虐待もあると話す。また、民事で損害賠償請求権が消滅する除斥期間(20年)や、刑事で公訴時効(強制わいせつ罪7年)の期間が経過していれば、被害者が「泣き寝入り」するしかないケースもあるという。
中日新聞によると、時効の起算点を成人後とすることについて、秀峰ゆかり弁護士は性的虐待の被害の特性を挙げる。結婚や出産などの節目で、幼少期の記憶がよみがえり、被害者が苦しむのだという。
秀峰氏が担当した裁判では、被害者が親族による性的虐待を受けてから20年以上経った後に訴えを起こしたが、1審で札幌地裁は、被告による姦淫行為の事実を認め、PTSDなどとの因果関係も肯定しながら、「すでに20年の除斥期間が経過している」として、訴えを退けていた(2審で札幌高裁は女性の訴えをほぼ全面的に認めた。現在は被告が最高裁に上告して係争中)。
自民党の馳浩・衆議院議員は、4月に行われた党の「女性の権利保護プロジェクトチーム(PT)」での会合で、「真正面から取り扱うことを確認」したとしており、「女性活躍推進の時代だからこそ、避けては通れない事案」と自身のブログで綴っている。
性的虐待は、児童虐待の中でももっとも親子再統合が難しい案件。
「なかったことにしてくれ」
「おまえさえだまっていれば」
「親族の恥」
などとして、被害者が二重の被害を受ける事案。
魂の殺人でもある。
カミングアウトしても、関係各所をたらいまわしされ、同じことを何度も告白させられさらに傷つく事案。
幼児や少女(少年)時代の被害は、生涯の精神的負担。
成年時の性暴力事件と比べても、はるかに重い量刑が必要でもあろう。
(4月17日|はせ浩 オフィシャルブログより 2015/04/17)
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