雅子さま50歳の誕生日「快復に向けて努力したい」【ご感想全文】

皇太子妃雅子さまは11月9日、50歳の誕生日を迎えられた。宮内庁東宮職を通じて、文書で誕生日に際しての感想を発表。6月に結婚20周年を迎えられたこと、東日本大震災で被災された人たちへのメッセージ、2020年に東京オリンピック・パラリンピックの開催が決まったことや、愛子さまのご成長などについて感想を寄せられた。
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宮内庁

皇太子妃雅子さまは12月9日、50歳の誕生日を迎えられた。宮内庁東宮職を通じて、文書で誕生日に際しての感想を発表。2013年6月に結婚20周年を迎えられたこと、2020年に東京オリンピック・パラリンピックの開催が決まったことのほか、東日本大震災で被災された人たちへのお言葉や、愛子さまのご成長などについて感想を寄せられた。

東宮職医師団は、「妃殿下には、懸命に努力を重ねられ、ゆっくりとではありますが、着実に快復してこられました」との見解を発表。「(4月のオランダ)ご訪問は、妃殿下にとって自信につながる大きな機会になった」としながらも「ご体調にはなお波がおありであり、まだ快復の途上にいらっしゃいます」とご療養への理解を求めた。

以下、雅子さまの「お誕生日に際してのご感想(全文)」を掲載する。

50歳の誕生日をこうして無事に迎えることができますことを嬉しく思っております。生まれてからこれまでの歩みを振り返り、もう半世紀も生きてきたのかと思うと不思議な感慨に包まれます。これまでの人生で交流を持つことのできた多くの方々のことを思い起こしながら、これまで私を育み支えていただいた多くの方々のお陰で今日の私があることを思い、感謝の気持ちでいっぱいでございます。ことに、この機会に天皇皇后両陛下そして皇太子殿下に心からの御礼を申し上げたいと存じます。

また、今年は6月に結婚20周年を迎えましたが、多くの方からお祝いいただいたことをたいへん嬉しく、ありがたく思いました。

今年は、4月末にオランダ王室から特別なご配慮をいただいて、皇太子殿下とご一緒にオランダ王国を訪問し、ウィレム・アレキサンダー国王陛下の即位式に参列させていただいたことは大変ありがたいことでした。



また、今年後半に、東日本大震災の被災地である、宮城・福島・岩手の三県を訪問いたしましたが、2年ぶりに現地を訪れてみて、被災地のたくさんの方々の笑顔に接することができたことが何よりうれしいことでした。まだまだ大変なことが多い中でも、現地の方々が困難に立ち向かい、前向きに生活や仕事の場の再建に取り組んでこられている様子を大変心強く思いました。

その一方で、心に深く負われた傷の癒えない方、仮設住宅などで不自由な生活が続いている方、生活の再建の見通しがまだなかなか立たない方も今なお多くおられ、心が痛みます。被災者の方々は、これから震災後3度目となる厳しい冬を迎えられます。これからも、被災者の方々に十分な支援が差し伸べられ、大勢の被災者の方々が安心して暮らすことができるようになるよう、被災された方一人一人の幸せとご健康を祈りながら、皇太子殿下とご一緒に、被災地の復興に永く心を寄せていきたいと思います。

 

今年は、夏から秋にかけて、これまでに経験のない大雨が各地で記録され、台風が伊豆大島などに痛ましい災害を引き起こしました。国外でもフィリピンを猛烈な台風が襲い、甚大な災害が発生しています。今年の度重なる台風や豪雨により亡くなられた方々に深く哀悼の意を表します。そして、ご遺族と被災された方々に心からお見舞いを申し上げますとともに、災害からの復旧が一日も早く進むことを願っております。

自然は、私たちに恵みを与えると同時に災害を引き起こすこともあります。地球温暖化が進むとともに異常気象や災害が頻発し、災害の規模も大きくなっていくと言われています。世界において地球温暖化や生物多様性の減少が現実の問題として進行して行く中、自然への畏敬の念を忘れずに、自然とうまく共存していくことが、今後ますます大切になってくるのではないでしょうか。地球環境の恵みを将来にわたって享受できるよう、自然環境を守り、地球上の限りある資源を大切にして、持続可能な形での発展を達成していくために、私たち人類は、叡智を結集し、力を合わせて取り組んでいかなければならないのではないかと感じています。

今年は、2020年の東京オリンピック・パラリンピック大会の開催が決まり、日本の子どもたちに大きな夢が与えられました。7年後に控えたオリンピック・パラリンピックが良い大会になることを心から願いたいと思います。

両陛下には、この度のインド国ご訪問からご無事にご帰国になられ、何よりのことと存じ上げます。両陛下には、日印両国の友好親善関係の増進のためにお力を尽くされ、大きな成果をあげられました。そして、日頃よりお仕事の一つ一つを大切になさっていらっしゃる両陛下には、ご公務で大変お忙しい日々を送っていらっしゃいますので、くれぐれもお体を大切になさっていただきますようお祈り申し上げております。

時のたつのは早いもので、長女の愛子は6年生も半ばを過ぎ、小学校卒業まであとわずかになりました。日頃から私たちにたくさんの楽しみや喜びをもたらしてくれている愛子には、これからも多くの方にお世話になりながら歩みを進めていくことになると思いますが、周囲への感謝の気持ちを大切にしながら、健やかに育っていってくれることを願っております。

私自身につきましては、昨年の誕生日以来、今年も、体調に気をつけながら、公私にわたってできる限りの務めを果たそうと努力をしてまいりました。今後とも、まわりの方々からのお力添えを頂きながら、快復に向けての努力を続けていきたいと思います。

結婚以来20年余りにわたり、天皇皇后両陛下に温かくお見守り頂いてきておりますこと、そして、皇太子殿下に、この間、いつも傍らでお支え頂いておりますことに心より感謝申し上げます。

日頃より、国民の皆様から私たちに温かいお気持ちを寄せて頂いていることに、改めて心から御礼を申し上げたいと思います。

雅子さまが50歳になられました。雅子さまが寄せられたご感想についてどう思いますか? あなたの声をお聞かせください。

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