「つらい時は、感情を押し殺さないで」ヘンリー王子が語る 母・ダイアナ妃との別れ

「考えて何になるというのだろう。考えたって悲しくなるだけだ、母が帰ってくるわけじゃない」そう思ったけれど……。
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Stefan Wermuth / Reuters
Prince Harry leaves the London Ambulance Service in central London, Britain February 2, 2017. REUTERS/Stefan Wermuth

故ダイアナ妃の死から20年。イギリスのヘンリー王子が、母親が亡くなってから大きな苦しみを抱え続けていたことをテレグラフ紙のインタビューで明らかにした。

現在32歳のヘンリー王子は、母親が事故で他界した時は12歳だった。「突然の母の死」という衝撃的な出来事に対処する方法は、「全ての感情を消してしまうことだった」とヘンリー王子は語った。

「12歳で母親を失った時、全ての感情を押し殺しました。それは、その後20年間の私生活だけではなく、社会的な活動にも大きな影響があったと思います」

「見て見ぬ振りをすることにしたんです。母親のことを考えるのを拒否しました。考えて何になるというのだろう。考えたって悲しくなるだけだ、母が帰ってくるわけじゃない。そう思いました」

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(POOL NEW / REUTERS)

しかし20代になった頃には、その方法では限界に達していたという。

「爆発する寸前になったことが何度もあったと思います。ありとあらゆる悲しみ、嘘、誤解、その他すべてのことが、四方八方からおそってきました」

ヘンリー王子が苦しかった気持ちについて語ったのは、メンタルヘルスの問題に取り組む人に話を聞く、テレグラフ紙のシリーズインタビュー「マッド・ワールド」。

ヘンリー王子は近年、メンタルヘルスの活動に積極的に携わっている。2016年には兄のウィリアム王子と義姉のキャサリンと共にメンタルヘルス慈善団体「Heads Together」を立ち上げ、心の病についてオープンに語り、助けを求めることの大切さを伝えた。

以前は「やんちゃな弟」というイメージを持たれていたヘンリー王子。2012年にラスベガスのホテルでパーティーをした際のヌード写真が流出する、といった出来事もあった。

しかし最近では、怪我をして身体が不自由になった軍人たちのためのスポーツイベントや、地雷撤去活動、エイズ検査の啓蒙活動アフリカでの象保護活動など、メンタルヘルス以外でも様々なチャリティー活動に携わっている。

インタビューでヘンリー王子は、20代の頃に「めちゃくちゃだった2年」があった、ということも明らかにした。しかしその後28歳の時にカウンセリングを受け、自分の気持ちを話せるようなったという。また、誰かを殴りたくなった時にはボクシングの練習で気持ちをまぎらわせた、とも語った。

爆発しそうだった時期を乗り越え、自分の気持ちを話せるようになった今、とてもいい状況にあると述べた。そしてつらい気持ちに蓋をしないで欲しいと伝えた。

「話してみると、他にもたくさん同じ気持ちを抱えている人がいるということがわかります。それを私は自分の経験から学びました」

ハフィントンポストUS版に掲載された記事を翻訳しました。

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