米大統領討論会がマイクのミュートを導入へ。「史上最悪のディベート」と言われた前回の反省を生かす。

前回の討論会では、相手の話を遮り続けるトランプ大統領が「喋らないように」と注意される場面もありました
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Sarah Silbiger via Getty Images

候補者が話している間は、対立候補のマイクはオフにします――10月22日(日本時間23日)に開催されるアメリカ大統領選討論会で、候補者それぞれの2分間の持ち時間の間は、対立候補のマイクがミュートされることになった。大統領選討論会委員会が19日に発表した。

90分間の討論会では、6つのトピックをそれぞれ15分間かけて議論する。トピックの最初でモデレーターが質問し、その後それぞれの候補者に2分間の回答時間が与えられる。

マイクがオフになるのはこの2分間だ。回答後のオープンディスカッションでは、両候補のマイクはオンになり自由に議論する。

マイクオフという異例の対応が取られることになった理由は、9月29日に開かれた第1回目の討論会で、候補者がお互いの話を遮って自分の主張をし、秩序が乱れたためだ。

特にトランプ大統領は何度もバイデン候補やモデレーターのクリス・ウォレス氏を遮り、たまりかねたウォレス氏が「他の人が話をしている間や質問をしている間は喋らないように」と注意する場面もあった。

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9月29日にオハイオ州クリーヴランドで開かれた第1回大統領討論会
Scott Olson via Getty Images

あまりのカオスぶりに、討論会は「史上最悪のディベート」「クソみたいなショー」と酷評された。

大統領選討論会委員会は声明の中で、前回の討論会で候補者の考え方が十分に伝わらなかったことに多くの人が懸念を示した、と説明する。

22日の討論会では、話している候補者のマイクのみをオンにすることで、候補者たちの考えを存分に伝えたいという。

「委員会は、候補者がお互いの時間に敬意を払って欲しいと願っています。そうすることで、討論会を見ている人たちの利益となる、礼儀にかなった討論が促進されるでしょう」と委員会は述べている。

第2回討論会は10月22日午後9時(日本時間23日午前10時)にテネシー州ナッシュビルで開催される。

アメリカ大統領選は全部で3回予定されていたが、トランプ大統領がバーチャルでの参加を拒否して2回目がキャンセルされたために、22日が最終の討論会となる。

議論するのは「新型コロナウイルスとの闘い」「アメリカの家族」「アメリカの人種問題」「気候変動」「国家安全保障」「指導者のあるべき姿」の6つのテーマで、NBCのクリスティン・ウェルカー氏がモデレーターを務める。