『朝日新聞』が「匿名ブログで『復興は不要』 経産省官僚、身元ばれ閉鎖」という記事を配信しており、いろいろ思うところがあったので、これについて少し。
1 記事の紹介
それほど長くない記事で、以下の様に報じています。
復興は不要だと正論を言わない政治家は死ねばいい――。2年前、匿名ブログに書き込まれた一文が、ここ数日、インターネット上に広まり、騒ぎになっている。
閲覧者らが身元を割り出し、筆者が経済産業省のキャリア男性官僚(51)であることがばれたためだ。事態をつかんだ経産省も「遺憾であり、速やかに対応する」として、処分を検討し始めた。
この男性は経産省の課長などを務め、今年6月から外郭団体に出向している。復興に関わる部署ではないという。
ブログでは匿名だったが、過激な書き込みが目立ち、仕事にかかわる記述から閲覧者らが身元を割り出したとみられる。24日午後から、実名や肩書がネット上にさらされた。
「復興は不要だ」との書き込みは、2011年9月のもの。被災地が「もともと過疎地」だというのが根拠だ。今年8月には、高齢者に対して「早く死ねよ」などと書き込んだ。同7月には「あましたりまであと3年、がんばろっと」などと、天下りを示唆する内容も記した。
2 書くべき内容
既に閉鎖されてしまっており、ブログそのものを見ることができず、どうした内容が書かれているのは判断できないので、一般論で感想を書かせてもらいます。
相手が見えなかったり、よく知らない人となると、何を書いても良いと思っている人がいる様です。実際中国などでの「反日デモ」を見ていると、本当に日本のことを知った上で批判しているのかと言いたくなるのかと同じ感想が出てきます。
中国などでは、言論の自由が制限されており、そうした国にいたことがある経験から言わせてもらうと自由に政府を批判できる(意見を述べることができる)ということは本当に素晴らしいことだと考えます(「在日」関連の2つのデモ)。
実際、中国で何か意見を発表しようと思ったら、気をつけるべきことが多く、かなり気を使いながら書かざるを得ません。
そうしたこと自体が間違っていると思いますが、「言論の自由」があるから何を書いても良いという話ではありません。
3 「言論の自由」
基本的に制限されていないが故に何を書いても良いと思っている方がいるようです。実際、ネット上にはかなり過激な意見も散見されますし、「炎上商法」という言葉も存在します(チヤホヤされたいためにブログを書いている?)。
先に述べたように、私は中国での留学時代にいろいろ言論の自由が制限されるとはどういうことか、自主規制とはどういう風になされるのかを嫌という程、目にしてきました。
結果、ものを書くときに、慎重になるくせがついてしまったようです。心のどこかで、下手なことを書くと、何があるかわからないという思いがどこかにあるのかもしれません。
もちろん、こうした自主規制が良いとは思いませんが、全く自分に何の規制を書けないまま、思ったことをそのまま書いてしまうというのも如何なものかと思います(ツイッター炎上と発言基準)。
4 最後に
私自身、ブログは仕事とは全く別物だと思って書いています(ふかわりょうが安室奈美恵を批判できた理由から学ぶべきこと)。そのため、官僚の方が仕事での憂さ晴らしをブログでしようとした気持ちもわからないではありません。
しかし、やはり何を書いても良いというわけではないのは、先に書いたとおりですし、誰もが見ることができる状態でものを書いている(発表している)というのは、やはり自覚した上で書くべきだと考えます。
(※2013年9月26日の「政治学に関係するものらしきもの」より転載しました)