ホイアンの道ばたで味わった山盛りのフォー。グルメの殿堂とされるあのレストランで堪能した、目にも美味しい見事な20コース料理。優しい日差しに包まれたボルドーやトスカーナの丘で楽しんだ、パーフェクトなピクニック・・・。どんなものだったにしろ、旅先で味わった、何年経っても忘れられない食事の記憶は誰にでもあるはず。旅から戻っても、せめてその味だけでも再現したいと思ったことがある人は、次のバケーション中、料理レッスンに参加してみるのはいかがでしょう。今回は数あるホテルのクッキングクラスから、お薦め10選をご紹介します。
千年の歴史を持つ貴族の大邸宅を改造したこの宿では、イタリア語レッスン、トスカーナ流陶器制作、人生で最高に美味しいと言わせる絶品生パスタやティラミス作りといった様々なクラスが用意されていますが、グルメなあなたなら当然、"パスタとティラミス"というくだりに目を光らせたはず。ここで行われるクッキングレッスンでは、敷地内の菜園で育てられた野菜やフルーツ、そして近郊産の新鮮食材。ここで学んだレシピを自宅で再現する時は、やっぱり高品質の食材を手に入れたくなるかもしれません。
ここで習得したレシピをいくら自宅で再現してみても、なかなか上手にできない可能性は確かに大きいけれど、ミシュラン星はそう簡単に獲得できるものではないから、落胆しないように。どちらにしても、その界のトップから学べば収穫は大きいはず。ここでは月2回、シェフのニコラ・マッス氏が、伝統的フランス料理の基本と応用編を伝授してくれます。レッスン中に作ったホタテ料理やフォアグラやショコラがいまいち満足できない結果に終わっても、レストランを訪れれば、本物の味がいただけます。
無理することはありません。「ナム・ハイ」で一番重要なアクティビティは、ビーチでまったりしたり、スパでのリラクゼーションタイム。でもすべてやり尽くした上、ありえないほどリュクスで居心地最高のヴィラから抜け出す気合いがあるならば、ホテルの"フォロー・ザ・シェフ(Follow the Chef)"プログラムをチェック。この半日コースは、リゾート内菜園でのハーブ摘みで始まり、新鮮食材で作った春巻き、ベトナムヌードル、バナナブロッサム・サラダのメニューをいただいて完了します。
デザート作りの腕を上げたいと願う人も、単にスイーツ好きな人も、ロンドンの「ワン・アルドウィッチ」では、本格派アフタヌーンティーの用意の仕方を、館内レストラン「アクシス(Axis)」の料理長ドミニク・ティーグ氏から直接指南してもらえます。デリケートなペイストリーからフィンガーサンドまで、英国自慢のメニューを学んだら、エプロンを外し、ダイニングルームで優雅にティータイムを楽しみましょう。
リラックスムード溢れる、全5部屋のエコリゾート「カーサ・デ・ラス・オラス」で行われる1週間コースのフードワークショップを、"楽園の中の食の祭典"と説明するのは、ホテリエのサム・シェンドウさん。地元の人気レストラン「ハートウッド(Hartwood)」および「セトリ(Cetli)」のシェフがペアで展開するこのコースは、この地方の自慢料理をゆったり丁寧に教えてもらいつつ、砂浜で用意する新鮮なセビーチェから地元最高のメスカルまで、たっぷりテイスティングも楽しめます。
ホームメイド・アイスティーを片手にだらりと過ごす午後。ベランダでカクテルとカナッペを味わって過ごす時間。コートヤードで楽しむこの地方の名物料理を揃えたディナーなどなど、「ゼロ・ジョージ」でのステイは、食を中心に1日が展開するのが常。シェフのランディー・ウィリアムス氏と一緒にキッチンで時間を過ごせば、チェックアウトした後も、ラベンダー風味のハチミツとシャンボードクリームと一緒に口にした、やみつきのコーンブレッドをいつでもまた味わうことができます。
メンドーサというとワインばかりが有名ですが、ブドウ園とオリーブ油精製所を兼ねたホテル「フィンカ・アダルギーサ」では、食事もお酒に負けないぐらいの高品質。ワイングラスをずっと手にしているのに疲れたら、屋外に設置された土のオーブンを使って、エンパナーダ作りに挑戦したり、食べ応えあるアルゼンチン流ディナーのため、ジューシーな近郊産ステーキをグリルしてみたり、なんてアクティビティはいかがでしょう。もちろん、ワインとの相性もぴったりですよ。
自社ワイナリーを構えた「セラーズ・ホへノート」のレストランやバーはどれも、南アフリカ屈指のダイニングスポットとされているとあって、ここで行われるクッキングクラスは期待度満点。"ケープ・マレー・キッチン(Cape Malay Kitchen)"と呼ばれるコースを受講すれば、マレーシア料理のエキスパートによる指導の下、例えば、繊細な味わいに仕上げた車エビのカレー作りに挑戦できます。もちろん、作り終わったら、南アフリカ自慢の白ワイン、シェナンブランと共に自分の腕のほどを確認しましょう。
グルメの街として知られるサンフランシスコですが、この辺りで最高のホテル内クッキングスクールは、橋を渡った向こう、サウサリートにあります。「カバロ・ポイント」では、地元で活躍するシェフ陣と共に、温かいウィンターシチューからメソポタミア期の食まで、幅広いテーマのクッキングにチャレンジできます。どのテーマのクラスでも、中枢となっているのはホテル内レストランのフィロソフィーともなっているスローフード。レッスンは最高級の調理器具が揃った、1,000㎡以上の広さを誇るオープンキッチンで行われます。
ヘルシーで、世界にたくさんのファンを抱える地中海料理。ギリシャ式食生活に憧れるなら、やっぱり本場へ。山の中の小さな町ビティナにあるこのデザイン志向高いミニマルスタイルのホテルでは、料理に使われるのは新鮮な地元産素材だけ。そして、クッキングクラスではレシピだけでなく、それぞれの献立の栄養素についても丁寧に教えてくれます。といっても、オリーブオイルとチーズがいかに体にいいかは、ここまで来る以前にしっかり心得ていらっしゃることでしょうが。
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