「耀くんの体はかたい」保育所の先生が訴えた異常にも周囲は理解できず

耀(よう)は相変わらず1時間おきの夜泣き状態は続いていましたが、そのような中でも順調に体重は増えて元気に成長している様に見えました。これは今になってようやく理解できるのですが、ムコ多糖症特有の「過成長」であると思われます。
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現在中学3年生の私の長男、耀(よう)は進行性の難病「ムコ多糖症」を持って生まれてきました。今回は耀が生後5ヶ月に保育園に入ってから10ヶ月頃までのお話をしたいと思います。

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耀は相変わらず1時間おきの夜泣き状態は続いていましたが、そのような中でも順調に体重は増えて元気に成長している様に見えました。これは今になってようやく理解できるのですが、ムコ多糖症特有の「過成長」であると思われます。

仕事が大好きな私は、耀が生後5ヶ月になった春から会社に復帰するために耀を保育所に預けました。当時は現在住んでいる豊中市のおとなりの箕面市の賃貸アパートで暮らしていました。箕面の保育所には長女も生後6ヶ月の時から通っており、ベテランの先生揃いで私はみなさんに信頼を寄せていました。

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ある日、4月から赴任された園内看護師さんが、

「耀くんの体かたい、今まで沢山の子どもたちを見てきたけど、耀くんの体はかたい」

とわざわざ言ってこられたのです。また別の日に仕事でしょっちゅうお迎えが遅くなる私と何とかタイミングを合わせて、担任の先生が再び看護師さんと同じことを話してこられました。彼女は子どもたちから「のりちゃんせんせい」と呼ばれる人気者で、お母さんたちからも支持されている笑顔が素敵なベテラン先生です。

でもその日ののりちゃん先生には笑顔はなく真剣そのものです。私も耀が生まれた時からずっと気になり、かかりつけのお医者さんに相談するものの、その度に異常なし、健康との答えが返ってきます。でもやっぱりそうなんだ!と思いつつ「定期健診でまた相談してみます」とのりちゃん先生にお話しました。

とは言ったものの、1ヶ月健康診査では「異常なし」、3~4ヶ月健康診査は「健康」と母子手帳に記されています。

言い辛いけれど、再度かかり付けのお医者さんに耀の体のかたさを相談しますが、

「個人差の範囲」

と言われます。それどころか、

「誰がそんなことを言うのか?」

と不機嫌な様子すら見せることも。

母子手帳の9~10か月健康診査には「健康 つかまり立ち可、高這い可、ボイタ姿勢反応 正常」と記されました。

そしてその晩、夫に報告しますがその夫までもが、

「お医者さんが健康と言っているのだから、おかしいはずがない!」

と怒り出す始末。誰でも自分の子どもをおかしいと言われて気持ちの良い人はいません。怒り出す気持ちもわかります。

確実に体がかたいことを実感している私は、間に挟まれ、フルタイムで仕事をしながらどうしたら良いものかと悩む、まさに母親の私にとって不毛な毎日が始まりました。

そのような中、報告を聞いても保育所の先生たちは、ずっとずっと耀のことを心配してくれていたのでした。