琵琶湖界隈のふたつの風景とある老舗の廃業

琵琶湖、比良駅近くのカフェ、畑の棚田、高島市街地と足を伸ばしてきたのですが、高島のふなずし作り400年の伝統を持つ「総本家喜多品(きたしな)老舗」に寄って見ると店が閉まっていました。ネットで検索して調べてみると廃業したそうです。
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琵琶湖、比良駅近くのカフェ、畑の棚田、高島市街地と足を伸ばしてきたのですが、高島のふなずし作り400年の伝統を持つ「総本家喜多品(きたしな)老舗」に寄って見ると店が閉まっていました。ネットで検索して調べてみると廃業したそうです。

外来魚のバス繁殖の影響で琵琶湖産の天然ニゴロブナしか使わず、昨今はふなずしの匂いを嫌う人が増えたために、超高級品となってしまって、消費者がなかなか手が出せないものになってしまっていたことも原因かもしれません。

以前喜多品に行った時、女将になぜ最近のふなずしは、子供の頃に食べたような発酵食品独特のニオイがなくなってしまって、あっさりしてしまったのかを尋ねたことがあります。そうすると最近の消費者の人は、あのニオイをうけつけないので、発酵した米をいったん捨て、また新しい米で漬けなおしているとおっしゃっていました。それでは確かに手間も、コストもかさみます。

いずれにしてもまた伝統のひとつが消えました。時代の流れといえばそうでしょうが、一抹の寂しさを感じます。

(2014年1月12日の「大西 宏のマーケティング・エッセンス」からの転載)