■ランディ・ジョンソン以来の高い奪三振率
レンジャーズのダルビッシュ有投手(27)は、渡米から2年間で確固たる地位を確立した。昨年はサイ・ヤング賞の投票の2位に入るなど、早くもメジャー屈指の投手として認識されている。では、ダルビッシュの価値はメジャーの投手の中で何番目に位置しているのか。米ヤフー・スポーツのライターは「10位以内に相当する」と分析している。
昨年、ダルビッシュは最後の2か月は坐骨神経痛を抱えながら、奪三振王のタイトルをいとも簡単に獲得した。277奪三振は現役最高投手とされるナ・リーグトップの左腕クレイトン・カーショー(ドジャース)を46個も上回る。しかも、カーショーよりも投球回が26回1/3も少ないにもかかわらずだ。
確かに、同地区に貧打のアストロズがいる恩恵を受けた。アストロズ戦には5試合に先発して、35イニングを投げて52奪三振、WHIP(1イニングあたりの四球+安打)0.77を記録している。ただ、今季も対戦が多くなることは確実なだけに、成績が落ちるとは考えにくい。昨年の奪三振率32.9%は、2001年にランディ・ジョンソンが36.7%を記録して以来の高い数字。ホームランの出やすいレンジャーズ・ボールパーク・イン・アーリントンが本拠地であることを考えると、堂々たる成績だ。
また、空振り率12.6%もメジャートップ。直球の平均速度は92.9マイル(約149.6キロ)とメジャーでは決して速くないが、最高のスライダーにカットボール、カーブと変化するボールの質が高い。13勝に終わったのは、打線の援護の少なさなどもあって、明らかに不運だったと見られている。
これらの成績を残していることを考えると、ダルビッシュは両リーグの投手を合わせても10位以内には相当するという。しかも、2017年まで6年総額6000万ドル(約63億円)と、他球団のエース級に比べて"格安"ともいえる年俸だ。カーショーの7年総額2億1500万ドル(約226億円)、新人の田中将大の7年総額1億5500万ドル(約162億円)などと比べると、いかに費用対効果が高いかが分かる。今季もその価値が高まることは間違いない。
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(2014年2月2日フルカウント「【米国はこう見ている】ダルビッシュの価値はメジャー投手陣で10番目以内に相当!?」より転載)