小泉元総理発言、普天間移設など

小泉元総理発言への対応、徳田毅代議士の選挙違反問題、普天間移設に関する自民党沖縄県連との調整に追われた一週間でした。小泉元総理発言はマスコミにとっては格好のネタのようで、政策というより政局がらみであちらこちらで取り上げられています。
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石破茂です。

小泉元総理発言への対応、徳田毅代議士の選挙違反問題、普天間移設に関する自民党沖縄県連との調整に追われた一週間でした。

国会は後半に入り、特定機密保護法案などの重要法案を会期内に仕上げねばならず現場は大童、与党復帰後実質初の予算編成を前に、久々に復活した観のある陳情合戦と「○○実現総決起大会」のラッシュが並行して、なんとも慌ただしい中に一日が終わっていきます。

小泉元総理発言はマスコミにとっては格好のネタのようで、政策というより政局がらみであちらこちらで取り上げられています。

議論を尽くした後に有権者に対して公約として提示した自民党の政策が小泉発言によって変わるものではありませんが、小泉氏という稀有の発信力の持ち主の存在は無視することが出来ません。単なる思い付きや、目立ちたい、などという思いでやっているとはどうしても思えませんし、その影響力を等閑視することはできません。

小泉発言を子細に分析し、一般の方々に説得力を持って我々の主張が理解されるように努めることが必要です。「原発はゼロだ!やる気になればできる!」と叫ぶのには三秒あれば足りますが、これに反論するにはどんなに短くやっても十分はかかってしまいます。

しかし我々は政治家であって官僚ではないのですから、その努力を惜しんでは決してなりません。どんなに正しい議論であっても、理解されなければ無いのと一緒です。膨大な(と言ってもそのごくごく一部にしか過ぎませんが)論説を前に、これをもう一度読みこなし、説明できるだけの話法を早く何とか身につけなくてはと思っております。

普天間移設も、年末や名護市の市長選挙を間近に控えて大詰めの段階になっています。

これまた原発ゼロと同じく「国外、最低でも県外」などと叫んで拍手喝采を浴びるのには三秒しかかかりませんが、県内に移設せざるを得ないことを説き、それを受け入れていただく(理解していただく、とは申しません)には膨大な努力が必要なのであり、ここ十数年、決して世間受けしないことをよく承知の上で努力を積み重ねてきたつもりですが、その最後の局面に差し掛かっています。

...というようなわけで、言い訳がましくて申し訳ないのですが、今週も纏まった文章を書くには至りませんでした。

街にはそろそろクリスマスのイルミネーションが輝きはじめました。楽しそうな人々を見ていると(勿論そう見えるだけで、みんなそれぞれ悩みや苦しみを抱えておられるのでしょうけれど)、羨ましい気持ちでいっぱいになりますが、国民に奉仕することこそが政治家の使命なのであり、そんな思いを持ってはいけないと自分に言い聞かせております。

中央公論十二月号の増田寛也氏の論考と藻谷浩介氏との対談は実に示唆に富んだものです。ご一読をお勧めいたします。

週末は土曜日が「週刊ニュース新書」(テレビ東京系・午前11時半)生出演、その後熱海で開催される自民党東京都連政治塾で講演。

日曜日は神戸市において開催される自民党兵庫県連研修会で講演の予定です。

寒さが増して参りました。ご自愛くださいませ。

(※この記事は2013年11月15日の「石破茂ブログ」より転載しました)