国会はいま危機にある

私が参議院に身をおいて、一貫して主張してきたことは、「民主主義は手続きである」ということです。法やルールを守らなければ、民主主義は独裁に陥ってしまいます。
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私が参議院に身をおいて、一貫して主張してきたことは、「民主主義は手続きである」ということです。法やルールを守らなければ、民主主義は独裁に陥ってしまいます。国会は国権の最高機関ですから、総理大臣や閣僚は昨日の予算委員会に出席して答弁する義務がありました。それをしないということは、法律を破っているのです。

人類が営々として築いてきた普遍的価値、民主主義、そして自由への認識を新たにしなくてはなりません。私たちを守るのは法律です。私たちの国は法治国家です。例えば、立場が逆転したとき、与党が野党に、野党が与党になったとき、どうやって相手から自分の身を守れというのでしょう?私たちは抗議行動のために、武器をもって官邸に押し寄せればいいでしょうか?私たちは法律でもって戦うしかないのです。これは、フランス革命、アメリカの独立革命などが積み重ねてきた人類の英知なのです。そういうことがわかっていない人たちが憲法改正をしようとしていることは極めて危険です。民主主義が手続きであるということは、日本だけの話ではありません。人類が命をかけて築き上げてきたのです。

私はあと一月で参議院議員を辞めますが、昨日は中国との関係について予算委員会で質問しようと思っていました。川口順子議員が自ら設定した委員会を自ら欠席するという暴挙、国会議員として絶対にやってはならないことをやってしまった。それを叱責するどころか、弁護する自民党という政党、さらに、それを批判するどころか擁護する新聞の論調。いつからメディアは自民党の機関紙になりさがったのでしょう。国会議員も内閣もメディアも反省しなければ日本の国会の機能が止まってしまいます。命をかけて国会を守り続けなければなりません。

(舛添要一氏の政治経済研究サイト「MASUZOE LAB」6月25日付記事を転載しました)