ボクがブログやなにかで書くことは、
なにか、ためになったりするものではないし、
いわゆる、どーでもいいこと、
雑文の類に入ると思うんですけど、
それでいんですけど、
だからといって。
テキトーに垂れ流しているんだな、と言われると、
そうでもないよ、と言いたくなる気持ちがあります。
たとえば、裏の路地を歩いていて、
パッっと目についたこと、感じたことを、
なるべく生きのいいうちに、
その光景が持つ温度やツブツブをなるべく壊さぬよう、
スケッチする。
それはそれで、気をつかいます。
うまく書こうとか、いいことを書こうとか
思わないことが案外、難しんですね。
文章が上手いとか、下手とか、
ためになるとか、ならないとか。
そういうことを気にしてしまっては毛頭ダメで、
なにより、気持ちスケッチ、を描けていなくてはならないんです。
さて、ブログを定期的に書くようになって、
メールや手紙をいただくことが、やや増えました
(数はほんの少しですけど、もらうこと自体、
なんだかすごいことだと思っています。
みなさまありがとうございます)。
いただいたメールや手紙に目を通しておりますと、
まぁ、ボクにくれるメールですからね、
どーでもいいようなメールが多いんですね。
(おまえが言うなって感じですけど)
たとえば、昨日届いたメールはこんな具合なのです。
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井川さん、いつも楽しく、ブログを拝見しています。
ちょっと思いついたので、
今日は私の小さい頃の話をしようと思います。
私は小学3年生の頃、あることを夢見ていました。
それは何だと思いますか?
わたしは一人っ子のさみしがりやで、
とびきり優しい父と、ちょっと変わった母がいます。
その両親に、悩みに悩んで打ち明けたことが、
小さい頃あったんです。
「わたしね、ほんというと、魔女になりたいの」
両親はどうリアクションしたか忘れましたが、
「だったら、サンタさんにお願いすれば」と提案してくれました。
「そっかぁ!!」
わたしはすっかり舞い上がって、
空飛ぶほうきをサンタさんにお願いしました。
そして、イブが明けて、クリスマスの朝。
わたしの枕元に1本の竹ボウキが立てかけてあったんです。
それからのわたしは、
毎日、毎日、空飛ぶ特訓の日々でした。
実は、知ってますかー?
魔女の特訓は誰にも見られちゃいけないって。
だからわたし、
部屋のドアもカーテンも完全に締めきり、
真っ暗闇の中でホウキにまたがっていたんです。
ひとり、じーっと、ホウキに力をこめて。
「飛ぶのよ。飛ぶのよ」
真っ暗闇の中、そう信じて練習するわたし。
そして、ほんの一瞬、奇跡が起こったんです!!
両親に「飛べたのよ」と告げると、
父と母はとても喜んでくれました。
自信をつけたわたしは、
本格的に魔女になる勉強をしました。
魔女図鑑なるものまで買いました。
そこには、魔女になるための心得、
そして生活のおきて、
魔女料理のことなどが、
詳しく図や絵で書いてありました。
魔女料理は、スパイスのかわりに
ちょっと変わった食材を使うんです。
ミミズ、ハエ、爪のカス、部屋のホコリ・・・。
わたしは大好きな父と母に、
ミミズのスープと毒キノコのパイを作ってあげました。
父と母は、「美味しくなくもない」と言ってくれました。
そんなわたしも今年で26歳。
会社に入った頃は叱られてばかりだったけど、
いまでは、商売上手とちょっと褒められます。
わたしは残念ながら、魔女にはなれなかったけれど、
ほうきは今でも、私の部屋に大切においてあります。
あっ、魔法のかけ方も一生懸命覚えたので、
いつかまた教えますね。
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これって、ボクに当てられたものだよなぁ?
と読み終えたボクはそう思いました。
魔女の話を彼女はなぜ、
見知らぬボクにしたんだろうか?
やっぱり、これは、気持ちスケッチなんです。
とにかくなんだかワーッと書いてある。
読み終わった後、いくつも光景が頭に浮かび、
少し胸がざわつきましたもの。
ミミズのスープやらはスプーンで汁を飲み、
フォークで具は絡めとって食べるのだろうか?
毒キノコのスープを飲んだ両親は、その後無事だったのだろうか?
とかね。
〈ボクからの回答〉
メールをありがとう。
小さな自分だけの世界を、
いっぱいに満たすことができるものは、
誰かに与えられた大きなものじゃない。
小さな自分が見つけた、ちっぽけなホントなんです。
そのことを誰かに伝えて初めて。
世界の広さと、自分が取るに足らないものであることを
知っていくんです。
生きていくとはそういうことなんです。
気持ちスケッチとはそのために必要なものかもしれませんね。
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