シブヤ大学や自由大学、丸の内朝大学など、市民の大学と呼ばれるような従来の大学とは異なる学びの場が近年生まれています。来月、10月5日(土)に墨田区にも、小学生から高齢者までが同じ教室で共に学び合う、多世代参加型の市民大学「マチナカデミアすみだ」が開校されます!
この学校を運営するNPO法人地域コミュニティ研究所は、墨田区の魅力的な各拠点を「キャンパス」と見立て、学びの場を作ることにしました。開校式は閉校となった旧隅田小学校で行われ、講座も開講予定。
■新学習指導要領における「生きる力」
文部科学省による新しい学習指導要領では、「生きる力」を大事な要素としています。「生きる力」の構成要素には、「確かな学力」「健康・体力」「豊かな人間性」の3つをあげています。
「マチナカデミアすみだ」では、「学力」は学校、塾など、「体力」は地域のスポーツクラブなどですでに育む場が一定程度存在していると考えているそうです。
マチナカデミアすみだは、「豊かな人間性」を伸ばすことにフォーカスし、地域コミュニティの力とオリジナルの講義メソッド「マチナカメソッド」によって、「豊かな人間性」を養い、真の「生きる力」を育むことを目的に設立されました。
■「マチナカデミアすみだ」の特徴
「マチナカデミアすみだ」が持つ特徴は以下の通り。
- 「地域の資源」を講師・キャンパスに
- 多世代が相互に学び合う
- 豊かな人間性を育む講義手法「マチナカメソッド」
- 墨田区を学ぶ・考える・創る学部
「マチナカデミアすみだ」の講師には、著名な専門家を迎えるのではなく、地域のおじいちゃんおばあちゃん、子どもたちも講師に。講座は、墨田区の特長や価値を象徴するような複数の拠点をキャンパスとして開催されるそうです。小学生から社会人、高齢者まで多世代の人々が、学生として共に学び合い、共に育て合う場となることを目指しています。
多世代が参加する各講座は、特定の知識や技術を教える一方通行の授業スタイルではなく、感情の言語化と傾聴による対話や、自身の価値観を問い直す過程を反芻するグループワークなど、「生きる力」を育むオリジナル の「マチナカメソッド」に沿って実施。
「マチナカデミアすみだ」に設けられる学部は、論理的思考力を養う「あたまデミア」、哲学的思考力を育む「こころデミア」、創造的思考力を伸ばす「からだデミア」のほか、墨田区の歴史や魅力について学んだり、地域課題の解決方法を考案する講座の「すみだデミア」の4つ。
多世代交流と体験型学習の実践、そして、地域資源の有効活用という一石三鳥の取り組みを目指す「マチナカデミアすみだ」。この市民大学の開講によって、墨田区がどのように変化するのか、今から楽しみです!
墨田区にお住まいの方、「マチナカデミアすみだ」が気になる方はぜひ10月5日の開講式に足を運んでみてはいかがでしょうか。
執筆者:Junya Mori
フリーエディター、ジャーナリスト。岐阜県出身、東京を拠点に活動中。デジタル領域を中心に複数の媒体で編集・執筆を行う。デザイン、テクノロジー、イノベーション、社会起業、シビックプライド等のテーマについて発信。
(※この記事は2013年9月27日の「マチノコト」より転載しました)