新ローマ法王が乗る「160万円の大衆車」

新しいローマ法王は、自らの教えを実践している。今年3月に就任した新ローマ法王フランシスコを乗せて、カステル・ガンドルフォに到着した車は、地味なフォード・フォーカスだった。[「カステル・ガンドルフォ(ガンドルフォ城)」は、歴代ローマ法王が毎年夏になると滞在してきた避暑用の城。ローマから数十キロの距離にあり、約55ヘクタールの敷地に別荘や農園が広がっている]
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新しいローマ法王は、自らの教えを実践している。

今年3月に就任した新ローマ法王フランシスコを乗せて、カステル・ガンドルフォに到着した車は、地味なフォード・フォーカスだった。[「カステル・ガンドルフォ(ガンドルフォ城)」は、歴代ローマ法王が毎年夏になると滞在してきた避暑用の城。ローマから数十キロの距離にあり、約55ヘクタールの敷地に別荘や農園が広がっている]

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先代のベネディクト16世が移動用に使用していたのは、ルノーの特注車やBMW・X5、メルセデス・ベンツの車など高級車だったが、それらとはかけ離れたイメージだ。

フォード・フォーカスは小型車で、店頭表示価格が1万6000ドルからとなっている。[2012年上半期には、単一車種として世界で一番売れた自動車となった]

地味なのは車だけではない。フランシスコ法王は、基本的には豪華なカステル・ガンドルフォではなく、ローマにある簡素な宿泊施設で夏を過ごしている。

堅実なことで知られる法王は先週、聖職者たちに対して次のように語り、倹約を求めた。「司祭や修道女が最新モデルの車に乗っているのを見ると心が痛む。車は仕事に無くてはならないものだが、どうか、もっと質素な車を選んでください。高級車が欲しいと思うなら、世界中でどれほど多くの子どもたちが餓死しているかを考えてください」

このローマ法王の呼びかけに対し、コロンビアの司祭は、4人の兄弟からプレゼントされたという白の「メルセデス・ベンツE200コンバーチブル」を売るつもりだと話している。

[画像ギャラリーは、「カステル・ガンドルフォでのフランシスコ法王」。歴代法王は階上から説教を行ってきたが、フランシスコ法王は人々と同じ高さに立って説教を行い、地域の人と親しく交わった]

[Yasmine Hafiz (English) 日本語版:兵藤説子/ガリレオ]

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