アメリカ・カリフォルニア州南部の街サンティーで、ナチスのシンボルである「かぎ十字」をマスクに付けた客がスーパーに現れ、物議を醸している。
サンティーでは、数日前に別のスーパーマーケットで白人至上主義団体「KKK(クー・クラックス・クラン)」のフードをかぶった買い物客が目撃されたばかりだ。
買い物客が店を訪れたのは、5月7日の夕方。客は自分の名前をダスティン・ハートだとサンディエゴタイムズと警察に明かしている。
ハート氏は、自身が店で買い物をする様子を記録した動画を、BitChute(ヘイトスピーチなどの動画が多く投稿されている右派の動画投稿プラットフォーム)に投稿している。
動画の中でハート氏は、店員に「ヘイトクライムだ」と言われてマスクを外すように求められたが、外すことを拒否。「これは言論の自由」だと主張している。
ハート氏はかぎ十字をつける行為を、ロックダウンに対する「静かな抗議だ」とも説明する。
マークをつけたまま買い物を続けるも、保安官代理がやってきてハート氏を引き止め、マスクを外すように求めた。
保安官代理はハート氏に、「この店舗は家族がたくさん訪れるプライベートな場所」であり、お店が「自分でルールを決められる」と説明する。
「お店は、ほかのお客さんの目に触れさせたくない、そして(かぎ十字をつける行為が)とても攻撃的な行為だとも話しています」
地元警察によると、ハート氏は保安官代理の求めに応じ、かぎ十字のマークを外した。
動画にはハート氏のパートナーと思われる女性もうつっており、女性は極右主義者のヘイトの象徴として使われるようになった「カエルのぺぺ」が描かれた黒いTシャツを着ている。
ハート氏は、今後同じマスクをつけて店を訪れないよう店側から求められた、とNBCサンディエゴは伝える。
サンディエゴ保安官事務所はこの出来事について、「捜査官らが継続して、この出来事について調べる」とステートメントで説明した。
「ヘイトや他人を攻撃する行動を、保安官事務所は許容しません。サンディエゴは全ての背景を持った人たちを歓迎する場所です」
「(サンディエゴ郡の監督委員、ダイアン・ジェイコブ氏のツイート)このように悲しくそして卑劣な行為は、ここサンディエゴでもそれ以外の場所でも許されるべきではありません。これはコミュニティや私たちの住む地域全域を攻撃する行為です」
アメリカでは、ロックダウンに反対する極右団体などが、白人至上主義や反ユダヤ主義のシンボルを使って抗議活動をしている。
5月初旬には、サンティのスーパーマーケットにKKKのフードを被った男が現れた。男性はフードを取るように求められるも拒否し、支払いの列に並ぶまで、かぶり続けていたという。
警察はフードを被った客の身元を確認したと発表しており、捜査を続けて「適切な処罰を課す予定だ」としている。
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。