PRESENTED BY POLA

「不安を抱えていても、先が決まっていなくても、大丈夫」自分らしく生きる女性たちの習慣とは?

POLA×蔦屋書店×ハフポスト日本版による国際女性デーのイベントをレポート
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「国際女性デー」の2019年3月8日、化粧品会社のポーラ、銀座 蔦屋書店、そしてハフポスト日本版による共同イベントが銀座で開催された。

テーマは、“Bloom a life 自分の色をみつけよう”。

4部構成のイベントには、あらゆる分野で個性を活かして活躍するゲストが登場。オープニングを飾ったのは、美術家の愛☆まどんなさんによるライブペインティングだ。

透明なビニールキャンバスを前に、力強く手を動かしていく愛☆まどんなさん。緑、オレンジ、黄、ピンク…点が重なり、線が生まれ、花が開くように空間が色で染まっていく。40分後、キャンバスの上にはふわふわのミモザに囲まれて微笑む女の子が現れた。

「女の子の絵を描くようになったのは、自分を応援するため。心が追い詰められた10代のとき、よく女の子の絵を紙に描いて机の上にいっぱい貼っていました。それを見ながら、“わたし、がんばれ”って」

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ライブペインティング歴10年超の愛☆まどんなさん。「いつも描きながらイメージを固めていきます。集中するので、緊張はしません」。
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 「夢なんか見てバカみたい」と落ち込んだ20代

2部はトークセッション。テレビ朝日のアナウンサーからフラワーアーティストに転身した前田有紀さんと、日本初の女性に向けたエンパワーメントメディア「BLAST」を運営する株式会社BLAST代表取締役社長の石井リナさん。年代もバックグラウンドも異なる二人が、「いつでも自分らしく生きる女性の“発想の習慣”」というテーマについて言葉を交わしあった。

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(右から)石井リナさん、前田有紀さん、ファシリテーターの中山綾子さん
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前田 私は以前、テレビ局でアナウンサーとして働いていたのですが、入社5年目から「自分が本当にやりたいことはなんだろう」と考えるようになってきて。料理とかヨガとか色々なものを試していく中に、お花があったんです。そのうちに「花や植物に関わる仕事がしたい」という思いが強くなってきました。
ところが親に打ち明けたら大反対。「せっかくテレビ局に入ったのに。絶対やめないほうがいい」と言われてしまい、「そうだね、夢見ちゃってバカみたい」と落ち込んだのですが、やっぱり諦めきれなかった。入社10年目にして自分を信じて、ようやく会社を辞める決意をしました。石井さんは、どんなきっかけで「BLAST」を立ち上げたんですか?

石井
私は新卒でIT系の企業に就職したのですが、そこからベンチャー企業への転職などを経て、2018年に起業し、“社会問題からセックスまでを取り上げる”女性向けエンパワーメントメディアとして「BLAST」を設立しました。
ただ、もともと起業しようと決めていたわけではないんです。自分の中で決めていることは、「この年齢までに○○をする」と決めてしまわないこと。それを決めると、そのとき想像していた自分にしかなれなくなってしまうので。

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前田 
ライフプランを決めすぎると、逆に可能性を狭めてしまいますよね。私はテレビ局を退社後、渡英して古城でガーデニングのインターンをしたり、花屋で修行をしたりしていたのですが、「さあ、独立しよう」と思っていたタイミングで妊娠したんですね。
妊娠がわかってすぐに、お店を辞めて個人事業主として開業届を出しました。「ビジネスは甘くない」「子育ては本当に大変」とどちらの立場の人からも忠告されたのですが、せっかくのチャンスを諦めたくなかった。
それで不安を抱えたまま走り出してみたら、意外にも楽しかったんですよ。そのときに気づいたのが、不満や改善点はどんどん声に出したほうがいいということ。

 

わたしたちにタブーはない

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石井
私もメディア運営を通じて、多様な選択肢を提示できるようにしたいなと思っています。例えばですがポリアモリー(複数恋愛)や、恋愛しないAロマンティックという恋愛的指向についてなど、恋愛・結婚・家族においても従来の枠組み以外のことを提案しようと意識的に発信しています。誰もが制約なく自由に人生を選択できる世界になればいい。性やセックスにまつわることも取り上げますし、わたしたちのメディアにタブーはないんです。
上の世代からの圧力だけを気にして毎日を過ごしていたら、私たちの人生は終わってしまう。自分にやれることは、全部やりたいんです。将来的には、出産や子育てもしたい。お花屋さんもやってみたいし、古着の買い付けもしてみたい。じゃあどうしたら実現できるか。それを考えるところからスタートすればいいと思います。まわりの目を気にせずに、どれだけ自分らしさを追求できるか。

前田
私、20代の頃は「自分らしさ」がわからなかったんです。「アナウンサーらしく」という言葉に捕らわれて、髪やネイルの色が明るすぎないかといつも気にしていました。
でも、会社を辞めて好きなことを追いかけたら、他人の目が気にならなくなった。イギリスでのインターン中も、ずっと這いつくばって雑草を抜いているから、顔がすぐ泥だらけになるんですよ。そんな自分を見て「汚い!」と驚くと同時に、「自分らしいな」とも思えたんです。

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爪に土がびっしり詰まった手すらも、誇らしかった。「私は絶対に花と緑を一生の仕事にしてみせる」と覚悟が決まった瞬間でした。(前田さん)
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石井 
「自分らしく」いられる環境を整えることも必要ですよね。例えば、「この制度っておかしくない?」と発言したときに、「私もそう思ってた」と同じ考えを持っている仲間を見つけるとちょっと安心できる。価値観を共有できる仲間と連帯できる場所があることも大事だと思います。
今の日本のジェンダーギャップ指数は110位、先進国で最低レベルです。政治や経済など、意思決定できるレベルにいるのはほとんどが男性です。その状況を変えていくためにも、#MeTooやSPA問題など、それらに端を発して日本の女性たちが連帯していくことがもっと必要だと思っています。

前田 
私、会社員をしていた頃は、フリーランスや起業して仕事をされている女性たちを「自分とは別の人」と思い込んでいたんですね。でも組織の外に出てみたら、自分の力でできることが意外とたくさんあった。これも一歩踏み出したからこそ、わかったことなんですよね。

石井
「いつか誰かが何かを変えてくれるだろう」と思っているだけでは、何も変わらない。変えたいと思ったら行動するしかないですよね。自分の人生に責任を持てるのも、変えられるのも、自分しかいません。私も、女性を取り巻く環境や状況を“見える化”して、良いロールモデルを紹介していくことで、メッセージを発信していくことで女性たちをエンパワーメントしたいと思っています。一緒にがんばっていきましょう。

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イベント当日には「ビューティー絵馬」を描くコーナーも。石井さんはハフポスト読者に「前田さんが泥だらけになった自分を誇らしいと感じたエピソードにジーンときました。自分が本当に満足できるかどうかは、やっぱり表面的なことじゃないんだなって。皆さんも気負わず、どんどん一歩を踏み出してみてください」とコメントした。
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前田さんはハフポスト読者に「石井さんのように、20代のうちから個として素敵に活躍されている方に出会えて、何よりも元気をもらえたのは私自身でした! 明日からの仕事を頑張るエネルギーをもらえた気がします」とコメント。
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個人と組織、双方がエンパワーメントするために

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3部は“リーマントラベラー”東松寛文さんが登場。広告代理店に勤務しながら週末旅で世界一周を実現したサラリーマンが、「突出した才能がないなら、何個かあるできることをかけ合わせればいい」「最初の一歩のタイミング、歩幅は人それぞれ。0.1歩でもいいから踏み出そう」等々、熱血トークを繰り広げた。

そして締めくくりの最終セッションには、UN Women(国連女性機関)日本事務局長の石川雅恵さん、ポーラ代表取締役社長である横手喜一さんが登壇。ハフポスト日本版編集長の竹下隆一郎がファシリテーターを務めた。

「今日は女性と女の子にとってとても大事な日。だから朝から晩まで走り回ってきました」

満席の会場を前に、笑顔でそう切り出したのは石川さん。「必要な力をつけること、それがエンパワーメントです。具体的には、意思決定の力、選択する力、交渉する力の3つです」

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ジェンダー平等と女性のエンパワーメントのための国連機関であるUN Womenの“日本の顔”ともいえる彼女の目から見た“女性のエンパワーメント”とは?
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「久しぶりに日本に帰って驚いたのは、女性に対する社会のプレッシャーの強さ。その一つひとつを個人で打ち破っていくのは、相当な勇気とエネルギーがいる。それでもやっぱり、個人が声を出していかないと、社会はいつまで経っても変わりません」

では社会が変化していくために、何がボトルネックになっているのか。その問いに、ポーラ代表の横手さんは次のように返した。

「家族とは、男とは、経営とはこうあるべきだ、というステレオタイプが日本社会には根強くある。けれども固定概念や過去の成功例に縛られたままでは、もう組織として生き残れない時代が来ています。個人にだけ変化を求めるのではなく、構造をどう変えていくかを模索していかなければ。女性のエンパワーメントにどう向き合うかは、ポーラにとっても大切なテーマです。家族や地域を巻き込みながら、彼女たち一人ひとりを支える“面”をつくっていきたい」

声を上げよう。手をつなごう。点は面になり、面は社会を動かす力になる。小さな一歩から、私たちはいつかきっと世界を変えることができる。

(取材/執筆 阿部花恵)

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ポーラおよびポーラ文化研究所は、その他の国際女性デーの取り組みとして朝日新聞社のWOMAN&TOKYOプロジェクトに協力しました。
女優の安田聖愛(せいあ)さんが、明治から大正、昭和、平成を象徴するファッションを身にまとい、各時代を生きた女性の姿を生き生きと体現しました。

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WOMAN&TOKYO

 

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