コロンビアの首都ボゴタの空港のトイレで、警察が216匹の有毒なカエルを保護した。密輸業者がドイツに運ぶ目的で空港に持ち込んだと見られている。AP通信などが報じた。
警察当局の11月7日の発表によると、カエルたちは1匹ごとにフィルムケースに入れられていて、大量の衣類の一緒に袋の中に紛れ込んでいたという。保護されたカエルはコロンビア国内の太平洋沿岸のジャングルに生息しているもので、アカオビヤドクガエルなどの絶滅危惧種が含まれていた。
■ヤドクガエルとは?
中南米のジャングルに生息するヤドクガエルの仲間は、体長2〜5cmと小柄だが、コバルトブルーやピンク、黄色と黒のストライプなど非常にカラフルな色彩を持つ。「熱帯雨林の宝石」と呼ばれることもあるほどだ。鮮やかな色彩は「ボクを食べるとひどい目に合うよ!」と、蛇や鳥などの天敵にアピールするための警告色だと言われている。
中でも、コロンビアに生息するモウドクフキヤガエルは、生物の中で最強の毒を持つとされ、1匹で約10人を死に至らしめることができるという。先住民エンベラ族がその強力な毒を、吹き矢の矢じりに塗って狩りに利用していたことが、「ヤドクガエル」の名前の由来となっている。
毒という武器があることで、ヤドクガエルの仲間はジャンプ力も発達しなかった。ジャングルの中をのっそりと歩き回り、アリなどの昆虫を食べて優雅に暮らしているだが、現在では危機に瀕している種類も多い。その美しさが仇となってペット用に乱獲されたことで、絶滅が危惧されているという。